つくば市・筑波大学・インテル社地域連携事業「つくば2015:つくばが変わる、日本を変える」プロジェクト ICT健康サポート事業が始動

2012.07.05
 茨城県つくば市(市長 市原 健一)、国立大学法人筑波大学(学長 山田 信博)及びインテル(株)(代表取締役社長 吉田和正)は、2010年12月から、グローバル社会に対応した、日本を代表する新しい都市文化の構築を目指す「つくばが変わる、日本を変える」プロジェクトを展開してきた。
 同プロジェクトでは、ICT(情報通信技術)を効果的に活用し、2015年に向けて、つくば市における人材養成、起業家支援、コミュニティの活性化及び市民の健康づくりの各分野における事業を検討してきた。その一分野である「市民の健康づくり」において、市民の主体的な健康増進を図るための事業として、2012年9月から「ICT健康サポート事業」として新たなサービスを始動することになった。
 つくば市では、「市民一人ひとりが健やかで心豊かに生活できる社会」を目指して、各種健康づくり施策を展開している。その中でも市民主体で日常的に取り組むことができ、脳卒中、心臓病、腎臓疾患などの生活習慣病等への予防効果が高い健康づくりサービスの提供は重要な課題である。そのため、今回、ICTを効果的に活用して日常的に健康データを集積・管理すること及び定期的な運動機会を提供することを2本柱とする新しい事業を開始する。
 同事業では、以下の3つの目的を達成することを目指している。第1に、市民一人ひとりが継続的かつ主体的な運動をすることへの意識醸成及び行動変容を目指す。第2に、市民の主体的な健康増進活動を基盤にして、つくば市の医療費の抑制及び適正化を推進していく。第3に、ヘルスケアに関する資源を有効活用し、民間企業が主体となったヘルスケア産業のさらなる活性化につなげることを目指す。
 サービス内容としては、ICTを活用して歩数や血圧などの健康情報をトラッキングするサービスとフィットネス施設における週1回の運動教室を組み合わせ、健康データの管理と運動を連携させる。健康データの「見える化」と運動教室における参加者同士のつながりを主たる活動とし、その効果として、市民の主体的な健康に対する意識の醸成及び運動に対する行動変容を生み出していきたいという考えだ。
 平成24年度については、つくば市は4つのフィットネス施設に運動教室の運営を委託する。4施設8コースを参加者に提供し、楽しく、効果的な運動プログラムを提供する。各コースとも定員は、上限20名とし、合計で160名を受け入れる。
 健康データのトラッキングにつきましては、NTTレゾナント(株)と委託契約を締結して、同社がポータルサイト「goo」にて一般サービスとして提供をしている、「gooからだログ」のつくば市カスタマイズ版を構築して活用する。一般民間サービスを基盤にしたシステムを構築することで、サービス提供に対するコストパフォーマンスの適正化及び汎用性を高めている。
 筑波大学では、参加者の血圧データを中心に、健康状況をモニタリングし、健康に関するアドバイス、メッセージ等を発信する。参加者に対して、医学的知見からのアドバイスを発信することで、健康管理に対する意識を高めること及び脳卒中、心臓病、腎臓疾患などの生活習慣病等への予防意識の向上を目指していく。
インテルは、つくば市民が将来、この健康サポートサービスを受けられるように、民間サービスを利用した拡張性の高いサービスの構築に協力している。この健康サポートサービスは、インテルなどのICT企業が推進するコンティニュア・ヘルス・アライアンスの策定した標準規格にも対応している。また、インテルは、コンティニュア規格に対応したパソコン、血圧計、体組成計を運動教室となる各フィットネス施設に複数台、貸与する。
本事業の始動にあたり、つくば市長市原健一は、「市民一人ひとりが健康で安全に生活できる都市を創造することは、つくば市の10年後のまちづくりの戦略への着手につながると考えています。サスティナブルな都市であることを目指すためには、市民の健康は必須条件ですので、ICTを効果的に活用した利便性の高い、健康サポートサービスを積極的に推進してまいります。本事業参加者の行動変容は、つくばの未来への希望であると同時に、一人ひとりの充実した活力ある生活の一歩につながります」と述べている。
 筑波大学医学医療系腎臓内科学教授山縣邦弘は「肥満、運動不足などによる生活習慣病は、脳卒中、心筋梗塞などの心臓血管病発症の危険因子として重要ですが、同時に慢性腎臓病の危険因子でもあります。またこの慢性腎臓病が心臓血管病の発症と大きく関わることが分かってきました。慢性腎臓病は全く自覚症状が無いまま進行していきますが、生活習慣の改善により、発症や進行を抑えることも可能です。生活習慣病発症前からの予防を含め、適切な運動習慣を身につけていただき、健康の維持につとめていただければと思います」と述べている。
 インテル(株)代表取締役社長の吉田和正は「インテルは、つくば市と筑波大学との三者連携によるICTの利活用を通じて、社会的課題の解決を支援しています。健康管理の分野では、インテルは、世界200社以上が加盟するコンティニュア・ヘルス・アライアンスを通じて、パソコンなどのICT機器と健康管理機器との相互接続を可能にする標準規格を推進しています。つくば市の今回の取り組みは、自治体が行う市民の健康サポートサービスにコンティニュアとICTの利活用、一般民間サービスを取り入れた画期的な事業です。インテルは、今後、この事業が拡大し、より多くのつくば市民がこの健康サービスの恩恵が得られることを期待しています」と述べている。
 7月2日から同事業の参加者募集を開始している。同事業参加者の目指す目標及び具体的なシステム構成及びフィットネスでのサービス内容につきましては、8月下旬にあらためて詳細が発表される。

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