第51回日本胆道学会学術集会ランチョンセミナー
※マークのある画像は、クリックすると画像が拡大されます。
第51回日本胆道学会学術集会ランチョンセミナー
日時:2015年9月17日
場所:ホテル東日本宇都宮
共催:東芝メディカルシステムズ株式会社
司会
愛知県がんセンター中央病院
山雄健次先生
演者
仙台市医療センター仙台オープン病院
伊藤 啓先生
【KEY Sentence】
●X線透視装置をオーバーチューブ方式で利用する際は、遮蔽板を使用し、術者の上半身の被ばくを低減する。
●Ultimax-iのパルス透視機能は、画質を維持したまま被ばく線量を大きく抑えることができる。
●手技の目的に応じて、超音波内視鏡、小腸内視鏡、X線透視装置を適切に用い、安全で確実な手技を実践する。
膵胆道疾患に対するInterventional EUSは数多くの手技が臨床応用されている。特に超音波内視鏡下胆管ドレナージ術(EUS-BD)の有用性に関する報告は多い。当院での実際の手技を紹介しながら、Interventional EUSの手技のポイント、そしてX線透視検査における被ばく低減の重要なポイントを解説する。
はじめに
EUSは診断を目的に開発され、EUS-FNAを契機に近年では膵胆道疾患に対するInterventional EUSが数多く臨床応用されている。特にEUS-BDは、その有用性と安全性から主にhigh volume centerを中心にERCP不成功例に対して行われている。Interventional EUSはレントゲンを併用した手技でもあるため、当院におけるX線透視検査における被ばく軽減の取り組みについても解説する。
低レートパルス透視で高画質を維持したまま被ばく低減
Ultimax-iには、連続透視機能、および、1~15fpsまでフレームレートを細かく設定できるパルス透視機能がある。当院は通常の手技では15fpsのパルス透視を使用し、随時7.5fpsにレートを下げることでさらに被ばく低減を行っている(図2)。実際の画質において、15fpsと7.5fpsの両方ともガイドワイヤーの視認性が高く、安全で確実な手技を行うのに十分な画質である。しかし後者では明らかにフレームレートが落ちるため、小腸内視鏡の挿入時や、手技時間が長時間となる場合、レントゲン上で細かい操作が必要でない場合に用いると患者の被ばく低減にもつながり、有用と考える。
おわりに
EUS関連手技について手技のコツを中心に概説した。InterventionalEUSは、どの手技もおおよそ①描出、②穿刺、③ガイドワイヤー留置、④拡張~ステント留置のステップで成されている。1つ1つのステップについてコツとリスクを把握し、確実に進めていくことが、安全な手技につながると考える。
(本記事は、RadFan2015年12月号からの転載です)