SPECT検査の今:Nuclear Medicine Interview 02

Satellite View~Canon Special Session : SPECT検査の今 Archives
2014.03.27

Nuclear Medicine Interview 02

 
 
小川敏英先生
鳥取大学医学部病態解析医学講座画像診断治療学分野

 
待望のドーパミントランスポーターイメージング製剤と3検出器型SPECT装置
 脳血流SPECT製剤が3種類登場した30年ほど前は、検査需要が一気に増え活況だったが、以降イオマゼニール(神経受容体の評価)を除いて脳の新しいトレーサーは長らく出てこなかった。私も以前にドーパミントランスポーターに関する治験に参加したが、残念ながら当時は日の目を見ることができなかった。その分、今回のダットスキャンの薬事承認は、パーキンソン病関連の検査において非常に期待している。
 また、現在保有している頭部検査用のリング型装置は、感度、分解能ともに大変よいが、後継機種がなく長い間更新されない状況が続いた。今回、東芝メディカルシステムズがGCA-9300Rを発表したが、後継機種として大歓迎だ。
 3検出器型SPECT装置は感度も分解能も2検出器型SPECT装置よりも優れているのは言うまでもない。検出器の数が多いほど感度、分解能共に良くなるため、頭部検査を行う上で、3検出器型SPECT装置は理想的である。
 
他モダリティとの違い~SPECTの定量性。課題は小回り
 CTやMRIといった他のモダリティと核医学検査を比較した場合、核医学検査の課題はトレーサーを準備する必要があるため、急患への対応が困難など、小回りがきかない点である。しかし、逆に核医学検査の利点はCTやMRIでは得られない情報が得られるという点である。近年CTやMRIでも研究が進んでいるが、脳血流SPECTはエビデンスも豊富で、再現性もいいので安心して診断できる。さらに、イオマゼニールや、今回登場したダットスキャンのようなドーパミントランスポーターといった血流以外の情報や、PET検査での糖代謝といったCT、MRIでは得られない情報が得られる。そして何より大きな利点は定量的な測定が可能な点である。
 他モダリティの進化や、PETの登場により、従来SPECT装置で行われてきた検査は減っているものもあるが、脳血流検査についてはむしろ増えてきている。現在国内ではサイクロトンを持たないPET施設で測定できるのは、ブドウ糖代謝だけであり、そういった環境では、高感度・高分解のSPECT装置で脳血流を定量的に評価したいと考えることも多い。その点でもGCA-9300Rに興味を持たれる先生は非常に多いのではないだろうか。
 
今後の核医学の発展には新しいトレーサーの登場と機器の進歩が必須
 GCA-9300Rの臨床画像も拝見させて頂いたが、非常に高画質な画像であった。装置本来の感度や分解能がよければ、検査時間の短縮やトレーサー投与量の減量も可能になると思うので、それは患者にとっても大きな利点である。
 今後の核医学検査の発展については、今回ようやくダットスキャンが薬事承認されて、さらに核医学検査に貢献できるトレーサーが引き続き導入されるかどうかが重要である。PETについても、アミロイドイメージングやその他のトレーサーが登場することが有望視されており、核医学の発展はトレーサーにかかっているといってもよいのではないか。
 さらに、新しいトレーサーの登場に刺激されて、より感度と分解能の優れた装置が登場することが望まれる。
 欧米の核医学と比べた場合、日本の核医学の最大の特徴としては、放射線科の中に核医学領域が含まれている点である。欧米では放射線科の教室と核医学の教室がわかれていることが一般的であるから、日本のメリットを活かしたCT・MRIでの検査データと核医学検査のデータを融合した評価を行うことができる。
 最近ではPET-CTが登場し、海外でも日本の状況に近づいてきているが、日本ではもともと他のモダリティと核医学検査のデータを一緒に評価していた。日本では臨床でも研究でも核医学検査と他のデータを融合させる素地があるため、そこを生かした研究がこれからも発展していくと考えている。

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