SPECT検査の今:Nuclear Medicine Interview 01

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2014.03.27

Nuclear Medicine Interview 01

 
 
外山 宏先生
藤田保健衛生大学医学部放射線医学教室

パーキンソン症候群だけでなくレビー小体型認知症でも認可されたことが大きな意義
 日本アイソトープ協会の第7回全国核医学診療実態調査報告書(2013年7月発表)によると、PET以外の核医学検査は残念ながら減少しているが、頭部検査に関しては、5年前の調査に比べ増加している。その理由は認知症検査における統計解析が普及してきたためと考えている。この状況でDaTSCANが登場することで、脳核医学がさらに増加するのではないかと期待している。
 DaTSCANの適応はパーキンソン症候群とレビー小体型認知症であるが、アルツハイマーに次ぐ認知症原因疾患であるレビー小体型認知症と、アルツハイマー病の鑑別は非常に重要である。
 レビー小体型認知症の場合は、認知機能の低下以外にもパーキンソン症状や幻視がみられることがあるため、向精神薬を使用すると副作用が出る恐れがある。今までは123I-MIBGという心臓核医学検査で使う薬剤を用いてパーキンソン症候群とレビー小体型認知症の鑑別を行う場合もあったが、脳の病気であるにも関わらず心臓の検査をすることに疑問を抱く患者もいた。その点で脳の診断薬を使って鑑別診断ができるようになることは、レビー小体型認知症の正確な診断と研究の促進に結びつくものと期待している。
 
新しく登場した専用機「GCA-9300R」への期待は大きい
 前述の報告書(第7回全国核医学診療実態調査報告書)によると、ガンマカメラを設置している施設が日本で1,074施設あり、装置が1,425台となっている。そのほとんどが2検出器型SPECT装置で、1,132台を占めている。3検出器型SPECT装置はわずかに121台である。2007年の同調査では201台であったことから5年間に40%ほど台数が減少している。
 また、過去には複数メーカーが3検出器型SPECT装置を販売していたが、現在は終了している。今回、GCA-9300Rが薬事承認されたが、3検出器型SPECT装置の登場は多くの先生方が期待していたのではないだろうか。
 2検出器型SPECT装置では感度の問題もあり、どうしても診断精度に限界がある。
 我々の施設では、SPECT-CT装置と頭部用リング型装置を保有しているが、前述の利点を考慮し、リング型装置を現在も使っている。リング型は、以前の装置のため、散乱線の補正や吸収補正などができず定量測定に難がある。GCA-9300Rで定量的な測定ができるようになれば、臨床・研究においてさらに有用性が増すと考えている。
 GCA-9300Rの臨床画像についてはこれから拝見させて頂くが、かなりの高画質画像が得られるのではないかと期待している。また何よりも、核医学では命とも言える定量性をきちんと測定してできる装置であることを望む。
 
核医学画像は難しい。ガイドラインを参考にきちんとした取り組みが必要
 DaTSCANとGCA-9300Rの相乗効果については、先生方、関係者も含め、期待は大きいと思う。日本は頭部領域の検査が非常に多いため、GCA-9300RやDaTSCANのような新しい機器と薬剤の登場によって診断精度が向上し、頭部の核医学検査数は増大してゆくだろう。
 しかし、核医学の画像は、表示の仕方によって一見集積が高く見えるように作ることもできてしまう。微妙な箇所の集積の低下などを正確に測定するためには、画像の表示方法や定量の仕方をきちんと定めておく必要がある。そのために日本脳神経核医学研究会では既にガイドラインを作成している。このような標準化の活動を通じて画像の表示方法や定量の仕方をきちんと定めていくことで、これからの普及と進歩への期待がより高まると考えている。

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