MR fingerprinting

RSNA2019 Report:
2019.12.04

 今年のISMRMで発表されたもので、データ収集をしていく中でMRI特有でもっているT1値やT2値といった定量値を1スキャンで取得してしまう技術の総称だ。
 fingerprintingとは指紋のことで、MR fingerprintingは、MRIで元々数学的に解けてしまうシミュレーションのように、この画像にこの成分が入っていれば、心臓の波形はこうなると解いてしまえる技術のことである。
 つまり、保存してあるデータベースと実際収集してきた指紋のような波形を照合して、マッチングできたら、そこにしまわれている定量値を引っ張り出すことが可能になる。
 この一連の過程が犯罪操作に使われる指紋照合に酷似していること、つまり指紋に紐付いている様々な個人情報を引き出すことに似ていることからfingerprintingと名付けられたという。
 MR fingerprintingは現在のルーチンMR撮像をすぐに置き換えていくものではないが、1画像あたり20秒程度で所得できる高速性もあり、また定量性ということからも、装置やオペレーターによる違いが減少し、安定的に情報収集できることが大きなメリットだという。
 日本では発売未定であるが、予定としては3T装置から搭載予定ということだ。
 

マッチングの過程

 

左の画像はザラザラしており、判別不明だが実はその中に様々な波形が含まれている