今年もRSNAが開幕しました。今年のシカゴの気温は昨年ほど低くはないのですが、非常に風が強く小雨もぱらついていて体感はとても寒いです。会場は全体的にゆったりとした雰囲気で、列が長い、座る場所がない、など混雑した様子はあまり感じませんでした。ただ帰りのバスだけは、展示の終わる17時過ぎに利用者が一斉に押し寄せるため、例年通り長蛇の列となっていました。
Physics (CT New Techniques/Systems)
Sunday 10:45-12:15 PM | SSA21 | Room: E353B
このセッションではCTに関する新技術が発表されていました。特に括りは無く、画像処理から撮影技術まで様々な演題が集まっていました。
SSA21-03
Low Noise, Thin-Slice Chest CT Imaging Using Prior Knowledge Aware Iterative Denoising
薄いスライスのCT画像で増加してしまうノイズを、画像をぼかすことなく除去するという演題です。ノイズの少ない厚いスライスの画像を参照し反復的に画像処理することでノイズ低減されていました。近年はdeep convolutional neural network: DCNNを利用したdenoisingが広く利用される中、数学的なモデルを立てて解くという一風変わった演題でした。
SSA21-05
X-ray CT Image Reconstruction Using Feature Aware Deep Learning Method
一般的なCT画像では、肺野と軟部組織では異なる再構成関数を利用しますが、この演題ではDeep learningを活用することで、1つの画像ですべての領域を読影可能な画像を生成するという演題です。はじめに肺野、骨、軟部組織などの領域ごとに、最適な画質が得られるようdeep learning reconstruction: DLRのDNCCをトレーニングします。臨床画像に適用する際には、まずCT画像を自動的に領域分割し、肺野や軟部組織などそれぞれの領域に最適なDLRを適用することで、1つの画像でありながら肺野はシャープで、軟部組織はスムースな画像が生成されていました。
SSA21-08
Phase-Locked Physiological Data for 4D CT: The Application of Standard Video Collection and Motion Enhancement
小児などの息止めが困難な患者に対し、CT撮影時にモニタ用のカメラで動画を撮影することで、呼吸波形を抽出し、ブレのない画像を得るという演題です。ごく一般的なカメラで撮影した動画でも、工夫して適切な画像処理をすることで有用な情報を抽出できるという点が印象的でした。