RSNA2018 Now on Report!@尾田済太郎先生(熊本大学大学院生命科学研究部画像診断解析学講座)part2

RSNA2018 Report:RSNA2018 Now on Report!
2018.11.28

3日目PMに行われた「Cardiac (Myocardial Disease)」セッションについてレポートします。CT・MRによる心筋評価法に関するセッションです。

最も注目したのはDual-energy CTによる心筋細胞外容積分画(ECV)評価の演題です(SSJ03-01、ホプキンス大学)。CTによるECV算出には単純と遅延相の多時相画像を用いるStandard Multiphase ECV(標準法)と遅延相単独のヨードマップを用いるSingle-Phase Iodine Map ECV(Dual-energy CT法)があります。前者にはミスレジストレーションや撮影条件・画質の違いの影響といった懸念材料があります。本発表では両手法で求めたECVには高い相関があったと結論づけていますが、CMRで求めたECVとの比較がないのがリミテーションとしてあげられます。熊本大学でも同様の検討をしており、両手法に高い相関がある一方、Iodine Map ECVのほうがより安定した再現性の高い結果が得られることが明らかとなりました(現在、投稿論文をrevision中)。CTによるECV評価はMRIが困難な症例やデバイス挿入後の症例、Gd造影のできない透析中の症例にも安全に実施でき、臨床的な期待が大きい技術です。
その他、近年の話題である、Athlete’s heartの心筋障害をT1mapやT2mapで評価する演題が2題発(SSJ03-02、SSJ03-03)、ファブリー病(SSJ03-06)の心筋障害をPET/MRで評価する演題の発表がなされました。

心筋評価においては遅延造影(LGE)が確立していますが、ECVを含めたParametric mappingで評価する時代に入っています。近い将来、このmulti-parametric dataにAIを適用し、個別化医療へ繋げていく動きが進むと推察されます。

セッションの様子