RSNA2018 Now on Report!@加藤 守先生(秋田県立脳血管研究センター)part2

RSNA2018 Report:RSNA2018 Now on Report!
2018.11.27

Free-Breathing Coronary CTA Combined with Dual-Energy CTA of Pulmonary Artery and Aorta in Triple-Rule-Out
Daliang Liu, PhD,MD, at al.

近年日本でも、救急外来にて胸痛に対するTriple-rule-out (TRO)検査を行う施設が増えている。急激な胸痛を呈する致死的な疾患は心筋梗塞、大動脈解離、肺塞栓症の三疾患である。TRO検査とはその三大疾患を一度の検査で診断する為の検査方法である。TROの有用性は多くの論文で示されているが、被ばくや造影剤量の増大などが問題となっている。今回、自由呼吸下にてDual-energy mode scanを用い、冠状動脈CTA(CCTA)と組み合わせた肺動脈および大動脈の検査の造影剤用量を減少させる検討を行っていた。対象群 (30 例) は、肺および大動脈血管造影をDual-energy modeを使用してスキャンした (80~140 kVp 高速スイッチング 185 mA、 回転時間 0.5s、ピッチ 1.532)。CCTA は7s 遅延後、通常の呼吸下でスキャンした (100 kV、自動 mA、回転時間0.35 s)。造影剤の総量は 40~50ml であった。これに対し、比較群(50例)は胸部のヘリカルスキャン(100kV、400mAs、回転時間 0.18s、ピッチ0.2)でスキャンし、造影剤の使用量は70~80mLであった。結果、対象群は比較群に対し、肺動脈・大動脈でCTは低値を示したもののSNRは同等であった。一方、画質は観察者間で対象群の方がよく、造影剤使用量も有意に低値となった。結論は、TRO検査における造影剤の投与量は、自由呼吸下CCTAと組み合わせたDual-energy mode scanによって減少させることができる。