国内では来春頃に薬機法承認予定の同社の新しいMRIインジェクター。同インジェクターは、マニュアル≤オートマチックを実現。CTインジェクター「Stellant」と同様に、4つのオート機能である、「オート・ロード」「オート・ドッキング」「オート・プライム」「オート・リトラクト」を有し、日々の検査のワークフロー向上が期待される。高磁場下でも稼働するモーターを採用し、MRIインジェクターでのオート機能搭載を可能とした。
オート・ロード機能では、ワンタッチで、生理食塩液をエアーが入らないように吸い上げる。生理食塩液を自動で吸い上げるだけでなく、ピストンを小刻みに上下しながらエアー抜きをしつつ、吸引する点がポイントである。
さらに、オート・ドッキング機能により、シリンジの内筒後端を検出し、自動でドッキングし、オート・プライム機能でチューブ内のエアー抜きも自動で行われる。ハンドル操作によりピストンを動かすこともできるため、全てが自動ではなくマニュアルでの操作も可能。オート・リトラクト機能で、シリンジを取り外すと自動でピストンが初期位置に戻るため、手動で戻す必要がなく検査時間の短縮にもつながる。
本体には、トレイが付属されており、シリンジなども包装を外してそのまま置いて使用できるため、特にユーザにやさしい設計である。加えて、ワークステーションを搭載しており、造影剤禁忌などをはじめ、受診者の検査情報などをトータルでマネジメントできる点は特に有用。造影MRI検査では、NSF(腎性全身性線維症)のリスクもあるため、造影剤副作用のリスクマネジメントは重要であるが、ワークステーションを搭載することでDose Managementを可能とし、より安全な検査の実施を可能とする。検査情報はPACSにも転送可能。Radimetricsにより、CTやAngioなどの他モダリティ検査と併せて、受診者一人ひとりのすべての検査をトータルマネジメントできる。