エキスパートがお届け!!Site of RSNA@檜垣 徹先生(広島大学病院放射線診断科)Part2

RSNA2017 Report:エキスパートがお届け!!Site of RSNA
2017.11.29

 RSNA2017は火曜日までのプログラムを終え、明日から後半に突入です。演題の応募時にはその演題がDeep Learning関連か否かを問う項目が追加されるほどDeep Learningが注目されていたこともあり、関連する演題は数多く見られます。しかし明日の放射線診断を変えるような演題には今のところ出会っていません。革新的な技術とはいえ、地道で継続的な研究開発が必要なのでしょう。その他ではDual Energy CTに関連する演題が数多く見られ、Photon Counting CTの実用化に向けた準備が着々と進められていることを実感しました。


 事前にご紹介していた演題のうち、Model-based Iterative Reconstructionに関連した演題は以下のような内容でした。



Radiation Dose Reduction in Abdominal CT Perfusion with Model-Based Iterative Reconstruction: Phantom and Clinical Studies
 腹部Perfusion CTにModel-Based Iterative Reconstruction (MBIR)を利用するとどの程度被ばくを低減できるかという演題です。被ばく線量を半分程度に下げた場合、従来の再構成法ではノイズが多いため定量解析値のうち門脈血流の値に大きな誤差が生じてしまいますが、MBIRを用いると誤差の低減が可能であることが示されていました。



A New Iterative Reconstruction CT Technique of Forward Projected Model-based IR Solution (FIRST): Evaluation of Image Quality, Radiation Dose Reduction, and Reconstruction Time at Upper Abdominal CT using an Anthropomorphic Phantom Model.
 腹部ファントムを用い、再構成法ごと、線量ごとの画質や再構成時間を評価した演題です。FBPとHybrid IR、MBIRを撮影線量ごとに比較した場合、線量が低いほどHybrid IRやMBIRのノイズ低減効果が高まることが示されていました。また、Hybrid IRよりもMBIRのほうがより効果的にノイズ低減できると述べられていました。MBIRの再構成時間は4~5分とやや長いものの、日常臨床では支障はないとのことです。



 会場には3Dプリンタで造形されたレントゲン先生が展示されていました。彼が現代の技術に触れたとき、一体何を想うのでしょうか。

3Dプリンタで造形されたレントゲン先生