エキスパートがお届け!!Site of RSNA@高田剛志先生(帝京大学)Part2

RSNA2017 Report:エキスパートがお届け!!Site of RSNA
2017.11.29

 我々は今大会で” Visualize Skin Dose and Air Dose in Virtual Reality”という演題で、VR技術を用いてIVRにおける空間・患者皮膚線量を可視化するシステムを発表した。これらの線量はモンテカルロシミュレーションを用いてほぼリアルタイムに計算される。本大会でのVR技術に関連した演題について報告する。


Contrast Emergency Management Training Using an Immersive Virtual Reality (VR) Headset: A Feasibility Pilot
Monday 11:40-11:50 AM | SSC08-08 | Room: S402AB
 本演題ではCT検査における緊急時対応の教育用VRシステムが報告された。このシステムは、自施設のCT検査室内での重度のアナフィラキシーショックの発生を想定した緊急対応訓練の様子を360°カメラで撮影し、スマートフォン(本演題ではGear VRを使用していた)で簡単にVRとして見られるようにしたものである。自施設における緊急時の対処法を実物大で知ることができるというのは、教育や訓練にはとても有用であるだろう。しかしながら、スマートフォンを利用したVRシステムは安価で可搬性に優れる反面、没入性が劣るため、ビデオによる説明と対して変わらない。本演題のディスカッションでも話題にあがったが、ユーザーがVR空間内を自由に動き回れてこそVRの本領が発揮されるであろう。
 VR元年と呼ばれた昨年に続き、2017年も終わろうとしている今、VR技術はテレビゲームなどエンターテイメントの分野で人気が急騰している。家庭向けとしてはまだ行き渡っていないが、教育・訓練用としてこれから重宝される技術となるであろう。これに向けて、我々は今後もVR技術の研究を続けていく所存である。