ガドビスト

RSNA2016 Report:
2016.12.01

 日本では2015年6月に発売された非イオン性MRI用造影剤。米国販売名はGadavist。同社製品マグネビストの後継品。T1短縮効果がマグネビストより約20%高いことからより優れた造影効果が期待できる。また、マグネビストはリニア型構造であったが、ガドビストはマクロ環型構造を有し、キレート安定度が高い。具体的には、ヒト血清内(37℃)における、15日後の両者のGd遊離率は、マグネビストが約2%であるのに対し、ガドビストは検出感度以下となり、遊離率は低いことが示されている。Gdは毒性が高く、皮膚などに貯留し重篤な副作用を引き起こす可能性があるのでキレート安定性はGd造影剤の安全性に関する一つの指標となる。
 また、ガドビストはマグネビストと比較し、2倍のGd濃度を有するため、マグネビストの1/2の投与量(0.1mL/kg)で同じ用量のGd(0.1mmol Gd/kg)を投与できる。

添付文書情報

1-P1050022

1-P1050022-001
上:マグネビスト(リニア型)
下:ガドビスト(マクロ環型)

症例画像
左:ガドビスト 右:マグネビスト
59歳女性の症例。左の画像でより高い造影効果が得られていることがわかる。