【エキスパートがお届け!!Site of RSNA】中根 淳先生(埼玉医科大学総合医療センター中央放射線部)  Part1

RSNA2016 Report:エキスパートがお届け!!Site of RSNA
2016.11.30

中根 淳先生(埼玉医科大学総合医療センター中央放射線部)からRSNA2016の参加レポートを頂きました。

Emergency Radiology (Dual Energy CT)セッション頭部編

 11月29日15:00PM、N227Bにて表題セッションに参加してきた。始めの2演題が頭部に関する興味深い検討であったので簡単にレポートする。
 1演題目は、”Role of a Novel Material Decomposition Algorithm in Detection of Acute Infarction”。細胞毒性浮腫を強調して急性梗塞の検出を改善する新規物質分解アルゴリズム”Brain edema image”を報告していた。”Brain edema image”は、100kVおよび150kVの第3世代DECTで画像を取得し、シーメンスの画像解析Syngo.Viaのプラットフォームで物質分解の画像を再構成し、White MatterのGray Matteを減算することで作成していた。”Brain edema image”は、従来の120kV画像と比較し、PPVおよびNPVが改善したとしており、24時間後の経過観察で脳梗塞がCT画像で確認できる部位とR=0.995で一致すると報告しており、その有用性は高いと感じた。DECTを超急性期脳梗塞の診断に応用する画期的な検討であり、とても参考になった。
 2演題目は、”Advanced Virtual Monoenergetic Imaging in Low-dose Dual-energy Unenhanced Head CT: Evaluation of Image Quality, Delineation of Intracranial Hemorrhage and Radiation Exposure”。DECTの解析アプリケーションの1つであるAdvanced Virtual Monoenergetic Imaging(VMI+)を用いることで、頭蓋内出血(ICH)の検出のための診断精度を従来の120kVと比較していた。VMI+の管電圧設定を110keVにすることで、従来と同様のコントラスト比を保ちつつ、32%放射線被ばくが低減可能であると報告していた。VMI+を用いて造影コントラストを向上させる検討が多い中、このような非造影画像に関する検討は少ないので、とても参考になる研究であった。

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