中村義隆先生(平成紫川会小倉記念病院)からRSNA2016の参加レポートを頂きました。
① < CT >
Cardiac (Coronary Artery Disease I)
Sunday 10:45-12:15 PM | SSA04 | Room: S504AB
本scientific sessionsでは、最近の循環器領域のtopicに関連した演題が多く集まっており、その傾向として、cardiac artery diseaseの予知や予防、検査の低侵襲化といったところが共通項のようであった。
特に興味深かった演題は50-70%の中程度の冠動脈狭窄に対してHeart Flow社が提供するFFRct (figure1)を施行する事で、どの程度の侵襲的血管造影の検査数を減らすことができ、医療費、合併症リスク、被ばく線量をどの程度低下することができたかを検討したものであった。
結果としてFFRctはCCTAに対し、34%→5%まで偽陽性を低下させ、陽性的中率と正診率を向上させ、71%の症例が最適薬物療法、29%がPCI施行となり、約85%の侵襲的血管造影とFFRを減らすことができたと示していた。これにより30%の医療費削減、4.8mSv→2.1mSvの被ばく線量低減、血管造影により生じうる医原性合併症のリスクを低下させるとした。
FAME study(figure2)によりangio-guided PCIからFFR-guided PCIがstandardとなっている背景の中で、海外の単施設の報告であったが、CTの普及率と心臓CTの施行率が高い日本において、FFRctの役割は特に必要性と発展性を感じる。
今後様々なFFRct解析ソフトが開発され、保険償還され、件数の増大が期待されるが、その精度の検証や利用法についてはCTを扱う診療放射線技師がしっかりと考えていかなければならないと考える。
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