【RSNA2015 Realtime Report】福本 航先生(広島大学病院) Part.1

RSNA2015 Report:RSNA Realtime Report
2015.12.02

今回我々はMassive-Training Artificial Neural Network (MTANN)と呼ばれるソフトウェアを用いた超低線量CT画像の画質改善についての発表を行いました。MTANNとは機械学習の一種であり、MTANNに事前に低線量CT画像と通常線量CT画像を学習させることにより、低線量画像のみから仮想の通常線量画像を作り出すことが可能となります。
肺癌CT検診者30人を対象として通常の低線量CT画像(2mSv相当)と超低線量CT画像(0.2mSv相当)からMTANNを用いて作成した仮想低線量画像とを比較し病変の検出能や内部性状評価について検討しました。
低線量CT画像では18結節(solid nodule: 16、GGN: 2)が指摘可能でしたが、これらの結節はいずれもMTANNで作成した仮想低線量画像でも指摘可能でした。ただし、2つのGGNに関しては性状評価までは困難でした。画質改善の必要性はあるもののMTANNは新たな線量低減の技術になる可能性があると考えています。
Physics(CT – New Techniques)のセッションでの発表でしたが、会場は立ち見がでるほど満員であり、新しい技術に対する関心の高さが伺えます。海外で大勢の前で発表するのは緊張し、また、英語での議論の難しさを痛感しましたが、大変よい経験になりました。
 
図1-002
 
図2-002