ScanWise/Advancing neuro applications

RSNA2015 Report:
2015.11.30

MRIでの今回の注目はScanWiseと呼ばれるソフトウェアと、脳神経領域に特化したアプリケーション「Advancing neuro applications」。


ScanWise
ScanWiseは、ペースメーカ等の体内埋め込み型器具を使用している患者に対し、あらかじめその患者のデータを入力しておくと、ソフトが自動で情報を解析、プロトコルを決めるというものだ。これにより、従来は診療放射線技師が手で調節していたところが自動でできるようになる。

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今後増えていくと予想されるインプラントの患者に対応するためのソフトウェアだ。
傾斜磁場の強度の最大部分に対するペースメーカ等の制約を入力、局所の熱量に対する制限も入力を設定し、追加で記入する情報があれば入力をすれば、撮像シーケンスが自動でカスタマイズされる。
より簡便かつ安全に、検査が可能となる。

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Advancing neuro applications
脳神経領域に特化したアプリケーションは、Multi-Band SENSE、CINEMA、Black Blood、Neurographyの4つ。


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Multi-Band SENSEは時間短縮のためのアプリケーションで、、これまで脳の画像を1回につき1スライスの撮影で取得していた画像が、1回につき2スライス、4スライス、6スライスの画像が同時に取得可能となる。特に機能MRIなど、通常で5分以上かかっていた時間を短縮できるようになる。
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CINEMAは血液の流れてくる様子を動態的に捉えることができるアプリケーション。1回のスキャンで血管を動的に捉えられ、かつ目的の血管を動画で捉えることが可能になる。




Black Bloodは、血管内の血液の信号を黒く落とすことで血管壁の評価を正確に行うアプリケーションである。
これによって血管と腫瘍の判別が可能となり、動脈瘤などの診断の向上にもつながる。

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Neurographyは神経叢を描出するアプリケーションで、空間分解能が高い点が特長である。神経の細かい狭窄によって病変も拾うことができ、これまでよりも正確な診断ができるようになる。
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発売予定は未定だが、同社の主力装置である「Ingenia」シリーズをはじめとして1.5T、3.0Tの機器に順次導入していく予定であるという。


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会場では「Ingenia 1.5T S」の実機が展示された。