今回私は「Diagnostic value of diffusion-weighted magnetic resonance imaging in abdominal oncology:latest topics and clinical applications」という演題を発表させていただく機会をいただきました。
内容としましてはDWIの癌診療における有用性を述べ、実際に臨床の現場でDWIをより有効に活用するための手法として、High-resolution DWI、computed DWI、DWIBSの三点について方法論や運用法をご紹介させていただきました。
High-resolution DWIでは局所励起法のように小さなFOVで位相方向にsaturation pulseやover samplingをすることでアーチファクトなく高分解能のDWIが得られ、腫瘍の検出に有用となります。Computed DWIでは過去の報告でもあるようにdirectly acquired DWIよりも高いコントラストで腫瘍の検出に役立つと考えられます。また、High-resolution DWIとcomputed DWIの組み合わせは今後の癌診療の画像診断にとって非常に重要であり有用な手法です。そしてDWIBSは実際に施行している施設は少ないものの非常に有用な手法であることは周知のことと思います。当院においても臨床医から良い評価を受けており、病気診断や治療方針の変更などに有用であった症例などを紹介させていただきました。現在の癌診療におけるDWIはなくてはならない撮像法であり、その有用性を引き出す撮像をすることが私たちに求められていると考えます。