Revolution CT

RSNA2013 Report:
2013.12.05

GE Healthcareで大きな注目を集めていたのが「Revolution CT」と呼ばれるフラッグシップモデルだ。「Revolution CT」は今までのCTの課題をすべて克服した次世代CT、という思いが込められている(FDAおよび薬事未承認)。
 
CTの進化はこれまで、画質・カバレッジ・時間分解能、それぞれの装置メーカがこの3つの方向性のいずれかを特色として打ち出し、進んできた。トレードオフと思われていたこれらの要素をすべて最高レベルに到達させるよう開発されたのがRevolution CTだという。外観デザインはスクエアな形状で、同社のCT8800のコンセプトの原点に戻る、という思いもこめられている。サイドカバーには木目パネルが配されており、技術と和の融合を意図したデザイン。
 

Revolution CT

 
 
新規開発の検出器、16cmのカバレッジを持つGemstone Clarity Detector。検出器はフラットではなく、辺縁にはにわずかに角度をつけて(管球の方向に向けて)並べられている。これによりコーンビームアーチファクトを防ぎ、画質劣化を抑える効果を実現している。DASのサイズは従来の「Discovery CT750 HD」シリーズの1/8に縮小。さらに、ガントリのスリップリングを完全非接触にすることで、電気ノイズを25%削減し、クラス最高速の回転速度0.2sec/rotを実現する(初期リリースは0.28sec/rotで提供予定。バージョンアップで対応するという)。
 

Gemstone Clarity Detector

 
 
ディテクタの上には散乱線除去のための3Dコリメーターが格子状に並べられている。この非常に細かいスリットは、日本、日野のGE Healthcareの技術の粋だ。
 

ディテクタ

 
 
再構成アルゴリズムも最新の、ASiR-Vを搭載。従来の逐次近似画像再構成法である“ASiR”の進化版で、Vは逐次近似画像再構成法である“Veo”を意味する。ASiRのワークフローとVeoの高画質を両立させた技術となる。FBP法と比較すると、50~82%の被曝低減を実現する。
 

 
Revolution CTの発表において、同社のブースでは大々的にデモンストレーションが開催された。
REVOLUTIONの名を冠する最新CTに相応しい、近未来的でありスペクトラムな、光の奔流を描いた壮麗なムービーに観客は興奮を露わにしていた。