SIRで発表するということ

2015.04.01

2015年2月28日(土)~3月5日(木)にジョージア州アトランタで開催されたSIR2015を、東京女子医科大学病院の森田 賢先生にご執筆頂きました!

SIRで発表するということ

東京女子医科大学病院画像診断・核医学科
森田 賢

はじめに

私がSIRに初めて参加したのは2012年で、今回で3回目の参加であった。振り返ってみると、発表は3回とも口演で、過去2回は米国留学時のネタであったが、今回は自施設での研究であったため意気揚々と臨んだ。たかが3回しか経験のない未熟者が発表云々について語るのは甚だおこがましいが、これから発表される若い先生方の参考となり、仲間が増えてくれることを期待して、SIRで発表することの意義について考察してみたい。

演題登録

先ず、発表するためには演題を通す必要がある。「教育展示」と「科学研究」があり、前者は「紙のポスター」のみである。後者は「口演または紙のポスター」か「紙のポスターのみ」のどちらかを選択する。ポスター発表はノルマではないが、ポスターレセプションという時間が設けられており、例年ワイン等が振る舞われる。優れたポスター発表には受賞があり、レセプションの際にリボンが貼りだされるため、ポスターの内容を議論すると言うよりは、受賞のお祝いといった雰囲気である。よって、どうしても英会話に自信がなければ、ポスター発表にすれば恐れることはない。近年では、国内学会も英語スライド化の波が押し寄せているので、それと大差ない。
科学発表に関しては、全米並びに一部は全世界から研究が集まるため、やはりしっかりした内容のものが多い。勿論、倫理委員会に承認済で、計画的に練られた今直ぐにでも論文になりそうな発表ばかりである。なお、Late-breaking abstractという枠もあり、締め切りより後にデータが揃う研究も受け付けている。しかし、これはRCT等のインパクトの大きな研究を早期に発表するための特別枠であり、間違っても「抄録が締め切りに間に合わないのでLate-breakingで」といった類のものではないことを注意されたい(2015年はなかったか?)。
一方で、国際学会と言うと、最先端の研究しか採択されないと思われがちだが、教育展示に限ってはそうとは限らない。例えば今回では、「超音波プローブの基本的な使い方」や「抗凝固剤のまとめ」等といった教育的な内容も採択されている。こういった傾向はRSNAにもあると感じるが、これは学会自体の目的が研修医やAcademic positionではない医師の教育も兼ねていることによるのであろう。当たり前の様な内容でも、実はちゃんとまとめられていなかったり、まとめることでより理解が深まる様なものは狙い目であろう。「うちは最先端のことをしていないので、海外での発表は無理」と決め込むのはもったいない。

採択

演題採択のスケジュールは、今回は2014年10月3日が演題登録の締め切りで、採択が来たのは2014年11月15日と早かった。なお、2015年2月26日にはJVIRへのInvitation letterが来た。これは、選ばれた演題はJVIRの査読を早くしてもらえるというシステムらしい。しかし、JVIRへのAcceptが約束された訳ではなく、普通に落ちることもままあるらしいのでぬか喜びはできない(私の場合は、幸運なことに数日前にJVIRからAccept letterが来ていたので一喜一憂せずに済んだ)。
なお、演題登録に関し注意すべき点として、二重発表(投稿)の問題がある。SIRではその点に関してFAQに明記されている。その一部を以下に原文で紹介する。
「May I Submit My Abstract for SIR 2015 If It Was Already Presented at Another Meeting?: Work may be submitted to SIR that was presented outside the United States.(米国外で以前発表されたものは投稿して良い)」、「What If My Abstract Is Accepted for Presentation at Another Meeting After Submission to SIR?:(中略) Once an abstract is accepted for presentation at SIR it may not be submitted or presented at any other meeting without a written waiver from SIR.(抄録がSIRに通ったものは、SIRから文書での許可がなければ、他のどんな学会でも発表してはいけない)」。つまり、日本で過去に発表したものをSIRで発表するのは問題ないが、SIRで過去に発表したものを日本の学会で発表する場合は許可が必要である。日本の学会の演題登録ページに二重発表に関する記載を未だ見ないが、学会員を守る意味でも早急に対策が必要であろう。「本学会で発表した研究を国際学会で発表しても二重発表とは見なされない」といった規定が明記されていないと、わざわざ日本の学会で良い演題を発表する人はいなくなるのではないだろうか。

(続きはRadFan2015年5月号にてご高覧ください!)

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