第4回緩和IVR研究会

2014.12.02

2014年10月25日に札幌で開催された第4回緩和IVR研究会を、 聖マリアンナ医科大学放射線医学講座の村上健司先生にご執筆頂きました!
 
 
第4回緩和IVR研究会
 
聖マリアンナ医科大学放射線医学講座
村上健司
 
はじめに

 今回は医療法人手稲渓仁会病院放射線科の児玉芳尚先生の幹事で、第4回緩和IVRが札幌にて開催された。
 今回のテーマは「マイクロスフィア」であった。
 2014年10月25日の札幌は、非常に快晴であり、横浜との気温差はなく、上着を準備していったが、少し暑いくらいであった。
 緩和IVRの内容は、前半はマイクロスフィアに関するシンポジウム、後半は治療に難渋した症例報告で構成されていた。
 内容は非常に豊富であり、議論は活発であった。すべてを記載するのは困難なため、以下に印象に残った点を中心に記載する。
 
 
シンポジウムⅠ(マイクロスフィア①)
「マイクロスフィアの基礎知識」
 マイクロスフィアは最近認可され、使用する施設が増加している。その基礎的な知識を児玉先生がレクチャーされた。サイズや膨張率などや含浸についてなど、マイクロスフィアの基本的な事項を再確認した。特にマイクロスフィアを用いた塞栓術は一般的に従来の塞栓物質(ジェルパート、エタノール、NBCA)などに比較し、post TAE syndromeが少ないので、いろいろな塞栓に応用でき、特に症状緩和に関しては、最も適切な塞栓物質ではないかというTake Home Messangeが印象的であった。
 
「動注リザーバーの薬剤溶出性マイクロスフィアの有用性」
 動注リザーバー留置されている症例に対し、リザーバーからディーシービーズを用いたTACEを施行した報告が奈良県立医科大学の田中先生より発表があった。リザーバーから肝動脈を高頻度に造影・確認して、一般的にマイクロスフィアは永久塞栓物質とされているが、2週間後には再開通していることが確認された。提示された症例では、数回のリザーバーからのマイクロスフェアによるTACE後、肝門部よりの腫瘍にもかなりの虚血が得られており、効果あると考えられた。
 
「多発性嚢胞腎患者に対するインターベンション治療」
 北海道大学の作原先生の発表で、多発性嚢胞腎の有症状例に対し、塞栓術施行し、2年後には嚢胞腎の容量が3割程度に縮小した。
 多発性嚢胞肝(ADPLD)に対し、マイクロスフィアでの塞栓で試みが提示されており、10%程度の縮小で、症状緩和に寄与していた。小さい肝嚢胞が多発している症例で、有用な治療と考えられた。
 
 
シンポジウムⅡ(マイクロスフィア②)
「転移性軟部腫瘍に対する緩和治療としてのTAEの有用性」(聖マリアンナ医科大学 荒井先生)

 いまだ塞栓物質の選択、マイクロスフィアのサイズ、含浸する薬剤、塞栓の程度など、正解がはっきりとしないが、低侵襲で再治療可能で、症状緩和に有用であると考えられた。
 
「骨軟部腫瘍に対する塞栓術-術中リスク軽減目的、疼痛軽減目的について-」(金沢大学放射線科 南先生)
 転移性骨腫瘍に対する脊椎全摘術の術中出血軽減目的に、肋間動脈・腰動脈に行う塞栓術を、マイクロスフィアで行った発表であった。
 発表された施設の整形外科で、肋間・腰動脈を上下3対結紮すると術中の出血が低下するという動物実験があるとのことでカテーテル的に施行するときにも上下3対の血管を塞栓しているとのことであった。整形外科からはアダムキュービッツ動脈が分岐している血管を結紮しても大丈夫という前提で、金属コイルでの近位塞栓をお願いされているとの話があり、会場からは驚きの声があがった(放射線科は、当然と思うが断っており実際に施行されていない)。
 会場からはアダムキュービッツ動脈の分岐する動脈の上下1椎体の動脈は吻合している可能性があるため、塞栓しない施設があった。当院ではアダムキュービッツ動脈が分岐する責任動脈のみを外して塞栓しているが、注意が必要と考えた。
 
「肝細胞癌肺・縦隔リンパ節転移に対するHepasphereを用いた動注化学塞栓術」(ゲートタワーIGTクリニック 末吉先生)
 肝細胞癌の肺転移、縦隔転移リンパ節転移に対し、HepasphereによるTACEを施行し、その治療成績が報告されていた。興味深かったのは肺転移で、気管支動脈からのIVR-CTでの確認造影で、造影効果がなかったが、治療にて縮小している症例の提示があった。
 内胸動脈・下横隔・鎖骨下動脈からの側副血行路からの治療も行われていた。血痰や呼吸困難の症状緩和に有用であると考えられた。また肺転移の99.5%は気管支動脈から血流を受けているという堀先生の言葉が印象的であった。

緩和IVR
図1 シンポジウムⅠ、Ⅱ
皆熱心に聞き入っていた。
 
 
(続きはRadFan2015年1月号にてご高覧ください!)

このページの先頭へ戻る