バイエル薬品、医療用画像診断支援AIプラットフォームCalanticデジタルソリューションを販売開始

2023.04.18

・さまざまなメーカーが開発したAIアプリケーションにアクセス可能なプラットフォーム
・ドイツ・バイエル社が買収したBlackford社のテクノロジーをもとに、画像診断におけるAIを活用したデジタルソリューションを拡充

 大阪、2023年4月13日 ― バイエル薬品株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:フリオ・トリアナ、以下「バイエル薬品」)はクラウド型の画像診断支援AI プラットフォームCalanticTM(カランティック)デジタルソリューション(以下「CalanticTM」)を4月14日より販売する。CalanticTMは、さまざまなメーカーが開発した画像診断関連のAIアプリケーションにアクセスして活用できるプラットフォームである。診断から治療にいたるまでの各種プロセスにおいて活用されるデジタルツール・システムは日々拡充されている。CalanticTMはバイエル薬品のみならずさまざまなメーカーが開発したアプリケーションを組み合わせたエコシステムを構築し、クラウド上で連携が可能なベンダーニュートラルなソリューションを提供する。

 昨今、日本社会の高齢化に伴い慢性疾患やがんの罹患者数が増加する中、医療用画像診断の需要も高まっている。一方で、放射線科専門医は不足しており、医療現場が逼迫する課題の一つとされている。医療用画像診断には高度な専門性が求められるだけでなく、読影する画像の量が膨大で、多くの時間を要すため、医師の業務負荷が非常に大きいという長年の課題が指摘されている。CalanticTM は、AIアプリケーションによる医師の読影支援や関連する各種ワークフローの高速化を通して、診断のスピードや精度の向上を目指す。オンプレミス型のシステム構築においては、医療用画像を管理するPACSに接続する場合、それぞれのアプリケーションに対応したサーバーが必要であった。クラウド型のCalanticTMは、1つのサーバーを接続するだけで、さまざまなアプリケーションや院内のシステムとの連携が可能となり、膨大なワークフローをシームレスに統合するデジタルソリューションである。

 ドイツ・バイエル社は、医療用画像処理AI市場における地位を強固にするため、画像AIプラットフォームおよびソリューションを世界的に展開している企業であるBlackford Analysis(以下「Blackford」)社を買収した。CalanticTMは、Blackford社のテクノロジーをもとに、AIを用いてワークフローや解析を一元管理するためのプラットフォームとして開発された。患者さんの診断から治療までの明確な方向性を提示することで、医療従事者の複雑な意思決定プロセスをサポートすることを目的としている。

 バイエル薬品は、CT、MRI(磁気共鳴画像)やアンギオ用の造影剤、およびこれらの自動注入装置、医療放射線情報一元管理システムやAIを活用したデジタルツールの提供、さらにはポートフォリオ全体のサービスおよびサポートにおいて、放射線医療におけるトータルソリューションを提供している。2023年4月14~16日にパシフィコ横浜で開催された「国際医用画像総合展(ITEM)2023」のバイエル薬品ブースにてAI関連製品もデモ展示された。

Calanticデジタルソリューションについて

 CalanticTMは、AIソフトウェアメーカーが開発した画像診断の精度の向上や画像診断業務の負担軽減を支援するさまざまな画像診断支援AIアプリケーションをクラウド上に統合できるベンダーニュートラルな画像診断支援AIプラットフォームである。臨床使用が認められたさまざまな画像診断支援AIアプリケーションを クラウド上に統合したCalanticTMクラウドプラットフォーム、画像の種類に応じて適切な画像診断AIアプリケーションに画像を自動的に送受信するCalanticTMエッジサーバ、画像診断支援AIアプリケーションで解析した画像を表示できるCalanticTMビューアから構成される。

CalanticTMのワークフローの一例

医用画像ビューアソフトウェアCalantic Viewerについて

管理医療機器 汎用画像診断装置ワークステーション用プログラム
販売名 医用画像ビューアソフトウェアCalantic Viewer
製造販売認証番号 305AABZX00006000
製造販売業者 バイエル薬品株式会社

Blackford Analysis社について

 Blackford Analysis(以下「Blackford」)社は、医療用画像処理AI業界をリードするプラットフォームプロバイダーの1つであり、は、2010年にスコットランドのエジンバラ大学からスピンアウトした、スコットランドと米国に拠点を置くAI企業です。Blackford社は2019年にバイエルのG4Aデジタルヘルスパートナーシッププログラムに採択された1社で、バイエルが協業契約を結んだ11のスタートアップの中に含まれていました。Blackford社の提供するBlackford Platformは、90以上のAIアプリケーションを提供しており、複数の画像処理AIアプリケーションの管理を簡素化し、最大の利便性と効率性を提供する。Blackford社は、ドイツ・バイエル社のデジタル医療画像診断領域におけるバイエルの地位の強化、包括的な放射線科ポートフォリオの補完、デジタルヘルスにおけるイノベーションを推進する戦略に基づき2023年にドイツ・バイエル社の100%子会社となった。

バイエルのラジオロジー領域について

 誰もが自分の健康について明確な答えを得る権利があり、それは早期かつ正確な診断から始まる。放射線医療領域で100余年の歴史を持つ真のライフサイエンス企業として、バイエルは、革新的な製品から高品質のサービスまで、卓越したものを提供することに注力している。バイエルは、コンピュータ断層撮影(CT)、X線撮影、および磁気共鳴画像法(MRI)用の造影剤、それらを正確に投与するための自動注入装置、患者さんのケアの効率化と最適化をサポートするインフォマティクスソリューションの優れたポートフォリオと、定評のある教育プログラムを有し、それによって2022年には約20億ユーロの売上を達成した。2030年までに放射線医療市場の年平均成長率5%をしのぐという大きな目標のもとで、バイエルは、医療画像診断において人工知能を活用し、イノベーションを推進するなど、研究開発に取り組んでいる。このような取り組みのひとつひとつによって、診断からケアにいたるまで、治療に重要な答えと明確な方向性を示す放射線科医の任務をサポートする有効なツールを提供する。

バイエルについて

 バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業である。その製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献している。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力している。同時に、収益力を高め、技術革新と成長を通して企業価値を創造することも目指している。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっている。グループ全体の売上高は507億ユーロ、従業員数は約101000名(2022年)。特別項目計上前の研究開発費は62億ユーロである。詳細はwww.bayer.comを参照。

バイエルのビジョンについて

 世界中のバイエル社員は、「Health for all, hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」というビジョンの実現に向け、革新的な製品とサービスを通じて、医療と食糧へのアクセス向上に貢献している。私たちは、飢餓をなくし、すべての人々が健康的な生活を送れるよう疾病の予防、緩和、治療を支えると同時に、持続可能な農業と生態系の保護を目指している。詳細はwww.bayer.jpを参照。

バイエル薬品株式会社について

 医療用医薬品、コンシューマーヘルスの各事業を通じて、日本の患者さんのための治療に変革をもたらす持続可能な取り組みを推進しています。医療用医薬品部門では、循環器・腎臓領域、オンコロジー領域、眼科領域、婦人科領域、血液領域、画像診断領域に、コンシューマーヘルス部門では、赤ちゃんの「人生最初の1000日」に適切な栄養を届けるため、女性の妊娠準備と妊娠期間を支援するサプリメントなどに注力しています。詳細はwww.pharma.bayer.jp, Facebook,YouTubeを参照。

お問い合わせ

医療用医薬品部門
製品広報 Tel: 06-6133-7498
広報部署 Tel: 06-6133-7333

将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)

 このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている場合がある。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがある。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれる。同社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負わない。