富士フイルム、メディカルシステム事業の新製品を発表~デジタルマンモグラフィ「AMULET SOPHINITY」、ワイドボア1.5TMRI「ECHELON Synergy」、動画と静止画の撮影ができる X線装置「CALNEO Beyond」を販売~

2023.04.07

 富士フイルムメディカルシステム事業 新製品発表会が4月5日、富士フイルム株式会社本社で開催された。

 はじめに、秋山雅孝氏(富士フイルム株式会社メディカルシステム事業部長)が、「2023年度は、Women’s Healthソリューションの新ブランドを立ち上げ、グループシナジーを創出し、グループ全体の提案を強くする。また、IT・AI技術の活用を加速させたい。それによって本日発表した「AMULET SOPHINITY」、「ECHELON Synergy」、「CALNEO Beyond」を本格的に展開して、2030年度までに世界196カ国すべてに届けたい。」と語った。

秋山雅孝氏(富士フイルム株式会社メディカルシステム事業部長)

 続いて、鍋田敏之氏(富士フイルム株式会社メディカルシステム開発センター長)は、「マンモグラフィでは我々は10年間国内トップシェアをとってきたが、さらにデジタルマンモグラフィ「AMULET SOPHINITY」を上市することで、より受診者にとって優しい製品を提供していこうと考えている。」と語った。

鍋田敏之氏(富士フイルム株式会社メディカルシステム開発センター長)

 「AMULET SOPHINITY」の特長として、低線量・高画質の実現がある。ISR(逐次近似再構成処理)により、線量を30%低減させている。またトモシンセシス時の撮影枚数の増加により、再構成時のアーチファクトの低減を可能にした。もう1つの大きな特長としては、AIによるポジショニングサポートを可能にしたことがある。過去に撮影した同一患者の画像からスキンラインと乳頭を検出し、撮影台に投影できる。また撮影画像からポジショニング状態を解析した結果を表示し、定量的にポジショニングの結果を管理できる。

AMULET SOPHINITYと秋山氏

 「CALNEO Beyond」は、検査室の効率化を考えて設計されている。1台でX線透視撮影と一般X線撮影を可能にしており、これにより、検査室に制限のある、中小病院やクリニックでの効率的な運用を可能にしている。また臥位テーブルだけでなく立位スタンドでもX線透視撮影を可能にしているのも大きなメリットである。AI技術を活用したナビゲーション機能により、撮影の向きや撮影条件のミスなどを確実に防ぎ、技師の負担を確実に軽減している。

 「ECHELON Synergy」は、ワイドボア1.5T超伝導MRIであり、ワンタップで撮影の実行をアシストする機能を内蔵している。スタートボタンを押すだけで寝台が装置内に移動し、磁場の中心で対象部位をスキャンできるように寝台の位置を自動的に調整できる。また同機は、簡単なスライド操作でセッティング可能な受信コイルも備えて撮影の効率化を行っている。