シーメンスヘルスケア、NAETOM Symposium開催!―国内外の臨床事例を発表―

2023.03.02

 シーメンスヘルスケアは、2月20日、オンラインにて世界初のフォトンカウンティングCT「NAETOM Alpha」の国内外の臨床例を紹介するセミナーを開催した。ここでは国内例を中心に紹介したい。

 まずは、田中秀和氏(シーメンスヘルスケア株式会社 CT事業部 プロダクトマネージャー)は、「我々は過去20年以上もかけて開発してきた証で、昨年のRSNA2022でも94演題も発表され、注目度の高さを証明している」と話した。

 梁川雅弘氏(大阪大学大学院医学系研究科 放射線統合医学講座 放射線医学 講師)は、「胸部領域を中心に大幅な線量低減画像でありながら高速撮像・高精細画像(最大x-y:0.11mm, z:0.20mm)が可能となったことは驚きだ。モーションやブルーミングアーチファクトなどアーチファクト低減も特筆すべき点である。また、マルチエナジーデータの同時取得&高分解能・定量性向上も可能である。ただし、再構成関数の選択(適正関数の選択)は非常に重要であり、薄層CTによる高精細画像を目指す場合は線量低減率の調整も重要である」と語った。

 橋本 順氏(東海大学医学部専門診療学系画像診断学 教授)は、「アジア初号機導入からの使用経験を踏まえ、高精細な画像診断、被ばく量の大幅な低減(部位により3割~8割程度の低減)、X線光子のエネルギー情報を利用して特定の物質を選択的協調あるいは除去が可能である。また、従来のCTであるDual Energy法との違いについても、特別なデータ収集のプロトコル選択が不要であり、異なるエネルギー情報が同時に検出されることでより精度の高い検出が可能である」と述べた。

 青島千紘氏(板橋中央総合病院 循環器内科)は、「循環器診療の中で0.2mmスライス厚による高精細なステント画像の構築、PURE Lumenによる石灰化病変の診断精度向上、そしてノイズの混入が少ない高コントラスト画像による造影剤の低減が可能である。フォトカウンティングCTでは、X線を1枚の半導体センサーで検出し、直接電気信号へ変換することで、最小0.2mmのスライス厚による高精細画像が得られる」と述べた。