日本メドトロ二ック植込み型心臓デバイス初の遠隔プログラミングを搭載した植込み型心臓モニタ『LINQ ll™』の販売を開始

2023.01.17

 日本メド卜口ニック株式会社 (本社 :東京都港区)は、原因が特定できない失神と潜因性脳 梗塞の患者の診断に使用する植込み型心臓モニタ「LINQ II TM リンクツー)」の販売を2023年1月より開始した。

「LINQ IITM
(販売名:メドト口ニック LINQ II/承認番号:30300BZX00278000)

 いつ起こるか分からない失神や、潜因性脳梗塞の主な原因の一つと言われる心房細動は、一般的に行われているホルタ一心電図検査や体外式ループレコーダーによる検査では検査時間が短く、検出し難いと言われている。植込み型心臓モニタを使用することで、失神が起きた際の心電図を確認したり、潜因性脳梗塞患者に心房細動があるか調べたりすることができ、症状が心臓の病気に由来するものなのかどうかを医師が判断する手助けとなる。

 LINQ IIは、患者が病院に通院することなく、遠隔でデバイス設定ができる遠隔プログラミングを初めて搭載した植込み型心臓モニタである。また、LINQ Ⅱは、新たなアルゴリズムを搭載し、不整脈の検出率向上とデータ解析時間の低減にチャレンジしている。不整脈を正しく検出する精度を高めることでデータ解析時間を低減し、医癒従事者や患者の労務低減を目指している。

LINQ Ⅱの特長

LINQⅡは従来製品と比較2して、次の改良点がある。

不整脈の検出率向上へチャレンジ
 不整脈の記録ルール変更と改良された偽陽性低減アルゴリズムを追加することで、データ解析時間の低減へチャレンジしている。これにより、レビューすべき反復エピソード心電図数が従来製品と比較2して66%低減3されたと報告された。また、心室性期外収縮(PVC)検出機能を新たに追加することで、失神や心房細動の診断に役立てる。
Blue SyncTMテクノロジー搭載による遠隔診療4への更なる貢献
 植え込み型心臓デバイスでは初となる遠隔プログラミング1が搭載された。医師はどこにいても5植え込み後あらゆる6パラメーターを遠隔プログラミング設定可能となる。
これにより、患者の外来訪問の頻度を低減できる可能性がある。また、患者は自信のライフスタイルに合わせて、スマートフォン7もしくはMyCareLink RelayTMのいずれかの方法を選択して心電図データを送信することが可能だ。
電池寿命の改良
 LINQ Ⅱの電池寿命を従来製品から改良2し、4・5年8の継続的なモニタリングが可能となった。継続的なモニタリングは医師の診断の助けとなり、不整脈の管理に役立つ。


 不整脈の記録ルール変更と改良された偽陽性低減アルゴリズムを追加することによる、LINQ Ⅱにおける診断に関わる時間は従来製品に比べ33%低減することが報告された。LINQ Ⅱは不整脈を検出する能力は落とさずに労力を減らすことで、LINQ Ⅱに関わる医療従事者や患者に貢献するだろう。

 東邦大学大学院医学研究科循環器内科学教授 池田隆徳医師は次のように述べている。「『診断機器』として不整脈の検出率を向上させるということはすばらしい改良だと思います。さらに、昨今、働き方改革を求められている中で、植え込み型心臓モニタのデータ解析を行う医療従事者の負担を減らすというコンセプトにも期待しています。また、埋め込みデバイスとして初となる遠隔プログラミングによって遠隔診療に新たな可能性を見出すことができるのではないかと思いますし、外来訪問の頻度や負担を低減できることは、患者さんにとってベネフィットとなるでしょう。」

失神とは

 失神は、脳全体に十分な血液が供給されなくなったために一時的に意識を失うものとされている。失神の原因は多岐にわたるが、よくある原因として①失神の調整機能の障害によるもの、②起立性低血圧によるもの、③心臓の病気が原因となるもの、が挙げられる。失神の原因疾患は致死性のものである場合もあり、心臓の病気が原因となる場合には重篤な症状に繋がる可能性がある。日本では、毎年20万人の失神患者が病院に搬送されていると推定され、そのうち20~30%は従来の検査方法では診断できない原因不明失神とされている。

潜因性脳梗塞とは

 脳梗塞の多くは脳血管の病変や、心臓などでできた血栓による脳栓症が原因と考えられているが、十分な精査にもかかわらず原因が特定できない脳梗塞が潜因性脳梗塞である。これらの大半は塞栓源不明塞栓症と考えられ、原因の一つとして潜在性房細動が注目されている。潜因性脳梗塞の頻度は研究によって差があり、原因不明の脳梗塞は全体の 16~39% と 報告されている 11

メドトロニックについて

 大胆な思考。より大胆な行動。それがメド卜口ニックである。Medtronic plc(本社:アイルランド、ダブリン)は、ヘルスケアテクノ口ジーをグローバルにリードし、人類が直面している多くの困難な健康課題に積極的に取り組み、ソリユーションを探し、見つけ出す。150ヵ国以上にまたがる情熱を持った9万5千人以上の従業員力からなるグローバルなチームを団結させているのは、「人々の痛みをやわらげ、健康を回復し、生命を延ばす」というメド卜口ニックのミッションである。メドトロニックは70以上の健康課題を治療する、心臓ペースメー力、手術支援ロボッ卜、インスリンポンプ、外科用手術機器、患者モ二タリングシステムなどの多様なテクノロジーと治療法を提供している。

 メドトロニックは、多様な知識、飽くなき好奇心、そしてそれを必要とするすべての人を助けたいという思いを原動力に、革新的なテクノロジーで、1秒に2人の人々の生活を、毎時問、毎日、変え続けていくであろう。メドト口ニックは、インサイト(洞察)に基づいた治療法の提供、人を第一に考えたエクスペリエンス、そして世の中により良いアウトカム(結果)をもたらすことに注力している。
 メドトロニックは何ごとにもエンジニアのマインドを持って、想像を超えるものを創り出す。
Webサイトwww.medtronic.com

日本のメドトロニックについて

 日本のメド卜口ニックは日本メド卜口ニック株式会社、メドト口ニックソファモアダネック株式会社、コヴィディエンジャパン株式会社の3法人が、「人々の痛みをやわらげ、健康を回復し、生命を延ばす」というメドト口二ックのミッションのもと、循環器領域、外科領域と低侵襲治療・診断領域、神経科学領域、糖尿病領域の4つの領域で、身体の70種類以上の疾患に対する治療法、サービス、ソリューションを提供している。
Webサイトwww.medtronic.co.jp

本リリースに関するお問い合わせ

日本メドトロ二ック株式会社        コミュ二ケーション      担当:伊藤

Tel:03-6776-0002(部門代表)             
E-mail:rs.japanprcom@medtronic.com

なお、将来の業績見通しに関わるすべての記述は、メドト口二ックが米国証券取号委員会に提出する定期報告書に記載されているようなリスクや不確定要素の影響を受ける場合があるため、実際の業績は予想と異なる可能性がある。

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1LINQⅡの遠隔プログラミングは、患者の容体確認・診察が不要であり、本体の設定変更のみを意図する場合に使用すること。

2Reveal LINQ™with TruRhythm™ Detectionとの比較(販売名:メドト口ニック Reveal LINQ/承認

番号:22800BZX00111000        2023年1月現在)。

3Van Heel L, et all. (2019}New Algorithms Reduce Clinician Review Burden and Maintain Diagnostic Yield for Repetitive ECGs in lnsertable Cardiac Monitors. Circulation. 140:A11830.

4ICMに関する情報通信機器を活用した健康増進、医療に関する行為。