富士フイルム、「富士ドライケム IMMUNO AGハンディキット リーダー」新発売

2022.10.12

~少ないウイルス量でも検出可能な新型コロナウイルス抗原検査キット専用リーダー。判定ラインを読み取って陽性・陰性を自動判定し、目視判定結果のバラつきを抑制~

 富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤 禎一)は、当社の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原検査キットの判定ラインを読み取り、陽性・陰性を自動判定する「富士ドライケム IMMUNO AG ハンディキット リーダー」を、富士フイルムメディカル株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:川原 芳博)を通じて2022年10月下旬より発売を開始する。本製品は、写真の現像プロセスで用いる銀塩増幅反応による高感度検出技術を応用した、ハンディタイプの新型コロナウイルス抗原検査キット「富士ドライケム IMMUNO AG ハンディ COVID-19 Ag※1」専用のリーダーである。
富士フイルムは、10月7日から9日に神戸国際展示場で開催される「JACLaS EXPO 2022-臨床検査機器・試薬・システム展示会-」に本製品を出展する。

[画像]富士ドライケム IMMUNO AG ハンディキット リーダー

富士ドライケム IMMUNO AG ハンディキット リーダー

[ロゴ]2022年度グッドデザイン賞

 「富士ドライケム IMMUNO AG ハンディキット リーダー」は、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する2022年度グッドデザイン賞において、美しい外観のみならず、優れた性能や快適な操作性を評価され、「グッドデザイン賞」を受賞している。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴い、感染の有無をその場で判定できる抗原検査キットは、医療機関における診療に加え、イベントや高齢者施設での面会時などで広く用いられている。一般的に抗原検査キットは、安価かつ簡便に使用できる一方、浮かび上がる判定ラインを検査者が目視で読み取るため、部屋の明るさなどの環境要因により、判定にバラつきが生じる可能性がある。また、正確な検査結果を得るためには、検体を調製した試料と検査キットの試薬の反応が終了するまでの時間を厳格に管理する必要があり、特に複数の検体を同時に検査する際にはワークフローが煩雑になるという課題があった。

 今回発売する「富士ドライケム IMMUNO AG ハンディキット リーダー」は、富士フイルム独自の「銀増幅イムノクロマト法※2」により、通常のイムノクロマト法で使用される抗原の標識を約100倍の大きさに増幅することで、少ないウイルス量での検出が可能な新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原検査キット「富士ドライケム IMMUNO AG ハンディ COVID-19 Ag」専用のリーダーである。本製品は、光学センサーで判定ラインを読み取って分析し、陽性・陰性を自動で判定。目視判定による判定結果のバラつきを抑えることができる。

 また、陽性・陰性の自動判定には、試料と試薬との反応終了直後のテストカートリッジの判定ラインを読み取る「Read nowモード」と、判定ラインの読み取りに加えて反応が終了するまでの時間管理も行う「Walk awayモード」の2つのモードを用意。臨床検査現場のニーズに合わせて選択できる。さらに、本製品はマグカップ大(80mm x 120mm x 95mm)のコンパクト設計で、限られたスペースにも設置可能。複数台の設置にも適しているため、ワークフローが煩雑になりがちな複数検体の同時検査時にも検査者を強力にサポートする。

 富士フイルムは、今後も医療現場のニーズにこたえる幅広い製品・サービスの提供を通じて、検査の効率化と医療の質の向上に貢献していくとの事。

  • ※1 販売名:富士ドライケム IMMUNO AG ハンディ COVID-19 Ag/承認番号:30300EZX00015000
  • ※2 イムノクロマト法とは、試薬に滴下した検体(鼻腔ぬぐい液など)中に被検物質(ウイルスなど)が存在すると、試薬中の標識抗体と結合して抗原抗体複合体が生成され、この複合体があらかじめ検出ライン上に線状に塗布された抗体に捕捉されると、陽性(抗原あり)を示す色付きのラインが表示される検査方式のこと。簡便迅速に結果を得られることから、処置を急ぐ必要がある感染症の検査に多用されている。

1. 品名

富士ドライケム IMMUNO AG ハンディキット リーダー
(一般的名称:デンシトメトリー分析装置/届出番号:14B1X10022000133)

2. 発売時期

2022年10月下旬

3. 主な特長

(1)銀塩増幅反応による高感度検出技術を応用したハンディタイプ抗原検査キット専用のリーダー
  • 富士フイルム独自の「銀増幅イムノクロマト法」により、通常のイムノクロマト法よりも少ないウイルス量での検出が可能な新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原検査キット「富士ドライケム IMMUNO AG ハンディ COVID-19 Ag」専用のリーダーです。抗原検査キットの判定ラインを光学センサーで読み取って陽性・陰性を自動判定する。
  • 陽性・陰性を自動判定する2つのモードを有し、臨床検査現場のニーズに応じて切り替えて使用ができる。「Read nowモード」は、検体を調製した試料と検査キットの試薬との反応終了直後のテストカートリッジの判定ラインを読み取って陽性・陰性を自動で判定。「Walk awayモード」は、陽性・陰性の判定に加えて、反応が終了するまでの時間管理も自動化する。
「富士ドライケム IMMUNO AG ハンディ COVID-19 Ag」に応用した富士フイルムの銀増幅技術
[画像]「富士フイルムの銀増幅技術」解説図

 金(Au)コロイドと還元剤と銀イオンを共存させると、金コロイドの周囲にだけ銀イオンと還元剤が反応し、金属銀(Ag)が生じやすくなる(銀塩増幅反応)。
「富士ドライケム IMMUNO AG ハンディ COVID-19 Ag」は、この原理を応用。金コロイド標識つき抗体と結合した抗原を、検出ラインに塗布した捕捉抗体がとらえ(ステップ①)、前述の銀塩増幅反応をコントロールすることで、金コロイド標識があるところにのみ、金属銀を生じさせ、大きな金属銀を形成させる(ステップ②)。
その結果、目視検出能が大幅に向上する。

参考文献: T. Broger, B. Sossen, et al., Lancet Infect. Dis. 2019; 19 852–61.

(2)コンパクトなボディと専用オプションで検査ワークフローの効率化を支援
  • 限られたスペースでも設置可能なマグカップ大のコンパクト設計で、複数台の設置に適しています。複数台を「Walk awayモード」で使用すれば、複数検体の同時検査が求められるシーンでも、ワークフローの効率化が期待できます。
  • 本製品とオプションのバーコードリーダーやプリンターを組み合わせることで、検体・被験者IDの管理や検査結果の印刷も可能。より強力に検査者を支援します。

4. 主な仕様

動作モード

Read nowモード / Walk awayモード

外径寸法

幅80×奥行120×高さ95mm

重量

0.4kg

電源

DC5V 2A(専用ACアダプタ使用)

測定結果保存数

100測定分

環境条件(温度)

15〜35℃

環境条件(湿度)

20〜80%RH(結露なきこと)

[画像]富士ドライケム IMMUNO AG ハンディキット リーダー

富士ドライケム IMMUNO AG ハンディキット リーダー

オプション
[画像]プリンター

プリンター

[画像]バーコードリーダー

バーコードリーダー

お問い合わせ

富士フイルムメディカル株式会社
営業本部 マーケティング部
 TEL 03-6419-8033

  • 記事の内容は発表時のものです。最新情報と異なる場合(生産・販売の終了、仕様・価格の変更、組織・連絡先変更等)がありますのでご了承ください。