ホロジックジャパンの全自動遺伝子検査装置

2022.01.21

「パンサーフュージョンシステム」を用いて「阪大微生物病研究会」がオミクロン株スクリーニング検査*を完全自動化

第6波の急激な感染拡大による検査依頼へ、昨年12月20日から迅速に対応

 ウィメンズヘルス分野のリーディングカンパニーであるホロジック社(本社:アメリカマサチューセッツ州)の日本法人であるホロジックジャパン株式会社(本社:東京都文京区)は、ワクチンメーカーであり、登録衛生検査所として各自治体や医療機関で実施される健康診断や臨床検査を担っている「一般財団法人阪大微生物病研究会」(所在地:大阪府吹田市)が、新型コロナウイルスの感染拡大第6波を受け、全自動遺伝子検査装置「パンサーフュージョンシステム」を用いて2021年12月20よりオミクロン株スクリーニング検査*を完全自動化により対応している。

 「一般財団法人阪大微生物病研究会」では、昨年8月に「パンサーフュージョンシステム」を導入したことにより、変異株スクリーニング検査*を完全自動化することが可能となった。通常の核酸増幅検査で陽性となった検体の変異株スクリーニング検査*は、これまで検査スタッフの手を多く介する従来法で行ってきた。従来法から自動化できることでスタッフの作業負担と感染リスクが軽減されるとともに、第5波では変異株スクリーニング数が従来法での検査数と比較して約5倍まで増加した。第6波に備え、増加するスクリーニング検査*のニーズに対応する体制を整えていたことにより、今回の急激な感染拡大による大量の検査依頼へ即座に対応することが可能となった。なお、オミクロン株の同定は、大阪府からの依頼により「デルタ株に特徴的な変異を持たない」ことにより判断している。

一般財団法人阪大微生物病研究会バイオメディカルサイエンスセンターバイオ技術課高橋美恵課長のコメント

 パンサーフュージョンシステムを導入していたことにより、昨年末からの大阪府内の陽性者数の増加に伴い、通常の陽性確認検査と合わせてオミクロン株スクリーニング検査も完全自動化にて実施することで、大量の検査依頼へ迅速に対応することができ、これからも大阪府の公衆衛生向上に貢献していく所存である。

ホロジックジャパンでは今後も「パンサーシステム」と「パンサーフュージョン」の高い拡張性を活かした臨床における核酸増幅検査の新たなソリューションを提供し、感染症分野を含む臨床検査の進歩に寄与していく所存である。

*変異株PCR検査(健感発0205第4号https://www.mhlw.go.jp/content/000764303.pdf)

一般財団法人阪大微生物病研究会(BIKEN財団)について

BIKEN財団は、ワクチンの研究・開発と生産・供給を担う、バイオ・スペシャリティー・ファーマである。1934年の設立以来、社会の要請に応え、数多くの日本初となるワクチンの開発、生産、供給を行うとともに、先進的な臨床検査サービスを提供し、公衆衛生に貢献してきた。検査事業を担うバイオメディカルサイエンスセンターは、大阪府の登録衛生検査所として、各自治体や医療機関で実施される健康診断や臨床検査の受託を通じて健康増進の普及活動と微生物病の予防・治療、公衆衛生の向上に寄与している。

https://www.biken.or.jp/

パンサー®システム/Panther Fusion®(パンサーフュージョンシステム)について

~臨床における核酸増幅法の使用をより多くの施設で可能に~

 「パンサー®システム」は、遺伝子検査の完全自動化を実現した、全自動の遺伝子解析装置である。

検体到着後、専用ラックに検体をセットし装置に投入するだけで、核酸の抽出・増幅・検出・結果報告までの一連の工程、および核酸増幅反応によって得られた核酸増幅産物の不活発化処理までを全自動で行っている。最初の測定結果はHIV-1, HBV, HCVで2時間40分、他の項目では3.5時間で得られるほか、最大275検体を8時間、500検体を12時間で測定することが可能であり、オペレーターの作業時間を大幅に削減する。 またランダムアクセス機能により、単一のラック内であっても複数の検査項目を測定できるとともに、随時、検体を投入することができるため、それぞれの種類の検体を溜めて待機するなどの手間を省き、最適なワークフローを実現する。必要な機器類をコンパクトに集約した一体型デザインによりラボにおける設置スペースを有効に活用することが可能である。

 「Panther Fusion®」(パンサーフュージョンシステム)は、「パンサー®システム」を基盤として、「Panther Fusion®」モジュールを追加することにより利用が可能である。TMA法に加えてPCR法の検査が一台で可能となり、TMA法と同様に、PCR法でも核酸抽出からPCR増幅反応までを完全自動で行っている。オープンアクセス機能でラボ毎の自家調製試薬(LDT:Laboratory Developed Test(研究用))の開発をサポートし、ラボのニーズ次第で新型コロナウイルスの変異株測定に迅速に対応可能となる等、多様なニーズを満たしている。  

ホロジック社(Hologic, Inc)について

 ホロジック社は、女性のライフステージに影響する乳房、婦人科、骨密度に関連する疾患、子宮頸がんや性感染症に関連する検診や、検査、治療のための革新的なソリューションを提供することを通じて女性の健康(Women’s Health)とウェルビーイング(Well-being)の向上を目指すグローバルヘルスケアカンパニーである。アメリカマサチューセッツ州に本社を置き、1986年の創立から25年で、全世界15か国の拠点に従業員5,500人以上を抱え、毎年持続的な成長を続けている。診断・遺伝子検査(Diagnostics Solutions)、マンモグラフィ・骨密度測定(Breast & Skeletal Health Solutions)、婦人科用外科手術(Gynecological Surgical Solutions)、の3つの分野を主要領域とし、医療従事者が下す決断と診断における疑念を最小化し信頼を最大化するために、一歩先を行く確かさ “The Science of Sure”を提供する。

ホロジックジャパン株式会社について

 2002年にアメリカの体外診断薬・機器企業Third Wave Technologies社の日本支社として設立。2004年株式会社サードウェイブジャパンへ改組、2012年10月にホロジックジャパン株式会社に社名変更し、体外診断用医薬品・医療機器、マンモグラフィシステム、乳房生検装置などを主力事業として活動していくとしている。

・本社所在地 東京都文京区後楽1-4-25 日教販ビル

・設立 2004年6月

・資本金 7,000万円

・代表取締役社長 山崎恵一

・事業 遺伝子関連試薬、医薬品、診断薬等の輸入、販売

医療機器及び理化学機器の輸入、販売

・主要仕入先 米国Hologic社*(親会社)

・国内拠点 3拠点 [ 東京本社、大阪営業所、神戸事務所 ]

・ウェブサイト https://hologic.co.jp/