Canon News Release!

2021.03.26

News Release 1

X 線イメージセンサーの新技術“Built-in AEC Assistance”を開発

キヤノンは、同一X線イメージセンサー面の素子を用いて、画像を生成すると同時に、照射された X 線に相当する画素値※1をリアルタイムに検知し、あらかじめ設定した基準値と比較、通知することが可能な新技術“Built-in AEC※2 Assistance”を開発しました。

しかし、DR(Digital Radiography)方式※4の X 線撮影装置などをシステムの撮影台から
X 線を用いて撮影を行う医療現場においては、「人体への X 線の照射は社会的・経済的要因を考慮しながら、できるだけ少なくするよう努力すべき」という放射線防護の基本的な考え方である「ALARA※3の原則」に基づき、さまざまな取り組みが行われています。例えば、X 線撮影システムでの撮影に際しては、一般的に X 線発生装置から被写体に対して過度に X 線が照射されないよう管理するため、照射された X 線に相当する電流を検知する外付けデバイスが使用されています。
取り外してワイヤレスで撮影を行う場合など、外付けデバイスが使用できないケースがあります。

この度、キヤノンは、長年にわたり培ってきた X 線センサー技術とイメージング技術を生かし、従来、外付けデバイスが担っていた機能を撮影装置に内蔵させることができる新技術“Built-in AEC Assistance”を開発しました。新技術では、X 線イメージセンサー内の電気信号の高速読み出しや各種アルゴリズムによる画素値補正を可能にすることで、同一センサー面の素子を用いて、画像を生成すると同時に、照射されたX 線に相当する画素値をリアルタイムに検知します。さらに、基準値をあらかじめ設定しておくことで、画素値が基準値に到達した時点で X 線発生装置へ通知することができるため、専用の外付けデバイスを使用することなく、X 線発生装置側で X 線照射の自動停止が可能になります。

キヤノンは今後この技術を X 線デジタル撮影装置「CXDI」シリーズに搭載していくことで、病院内における回診撮影を含む幅広い撮影シーンに対応できるよう製品開発を進めていきます。また、医療以外のさまざまな用途への応用も視野に入れた開発を進め、X 線センサー技術とイメージング技術をより一層進化させることでデジタル撮影領域を拡大していきます。

News Release 2

透視から一般撮影まで幅広く対応するワイヤレスX線デジタル撮影装置

“デジタルラジオグラフィ CXDI-RF Wireless B1”を発売!

キヤノンは、DR(Digital Radiography)方式※1のワイヤレス※2X 線デジタル撮影装置の新製品として、“デジタルラジオグラフィ CXDI-RF Wireless B1”を2021 年8月下旬に発売。

新製品はフルサイズ(約 17×17 インチ)対応のワイヤレス X 線デジタル撮影装置です。1 台で幅広い撮影手法や撮影部位に対応しているほか、可搬性に優れた外装デザインでさまざまな撮影シーンでの作業負荷軽減に貢献。また、本日発表したキヤノンの新技術「Built-in AEC※3 Assistance」を採用している。同一 X 線イメージセンサー面の素子を用いて、画像生成と同時に、照射された X 線に相当する画素値※4をリアルタイムに検知することができる DR 方式の X 線デジタル撮影装置として、世界で初めて医療機器の製造販売認証を取得※5している。

透視から一般撮影まで幅広い撮影手法に対応

DR 方式のX 線撮影手法として、バリウムなどを使用し、X 線をパルス状または連続照射することで体内を透過する際に生じる X 線のコントラスト差をモニターでリアルタイムに動画のように観察する「透視」や、胸部や腹部、骨や関節などを静止画として撮影する「一般撮影」などがある。本製品は1 台で「透視」から「一般撮影」まで幅広い撮影手法に対応する。本体質量は約3.5kg で、持ちやすさを追求した外装デザインを採用しているため、撮影時の位置決めや片手での持ち運びを容易に行うことができる。撮影した画像は、専用コントロールソフトウエアにより素早く表示、確認が可能で、多様な撮影ワークフローに対応する。

「Built-in AEC Assistance」により多様な医療現場での撮影をサポート

X 線撮影システムを用いて撮影を行う医療現場においては、X 線撮影装置とは別に、照射された X 線に相当する電流を検知する外付けデバイスを使用し、被写体に対して過度に X 線照射が行われないよう管理されている。新製品は同一 X 線イメージセンサー面の素子を用いて、画像を生成すると同時に、照射された X 線に相当する画素値をリアルタイムに検知する新技術「Built-in AEC Assistance」を採用している。これによりシステムの撮影台から取り外してワイヤレス撮影を行うような、外付けデバイスが使用できないシーンを含む多様な医療現場で撮影をサポート。

<主な特長>

1.透視から一般撮影まで幅広い撮影手法に対応

・フルサイズ(約 17×17 インチ)に対応した DR 方式の X 線デジタル撮影装置で、有線/無線撮影に対応。

・バリウムなどを使用し、パルス状または連続照射されたX 線が体内を透過する際に、内部構造の違いによって減弱された X 線のコントラスト差をモニターでリアルタイムに動画のように観察する撮影手法である「透視」に対応。胸部や腹部、骨や関節などを静止画として撮影する

「一般撮影」と合わせ、本製品 1 台で「透視」から「一般撮影」まで幅広い撮影手法に対応。

・X 線 TV システムや一般 X 線撮影システムの撮影台に搭載された際の立位や臥位撮影はもちろん、撮影台から取り外して行う撮影にも本製品 1 台で対応可能。

・本体質量は約 3.5kg で、持ちやすさを追求した外装デザインを採用。撮影部の裏面に設けた深いホールド部に指をかけられるため、片手での持ち運びや撮影時の位置決めが容易。撮影部の角や側面は丸みを帯びた形状を採用しており、平置き時からの持ち上げや、患者とベッドの間への挿入がスムーズにできるため、撮影時の ホールド部作業負荷を軽減。 (本体背面 2 か所)

塵や液体が撮影部内に侵入しにくい構造を採用し、防塵防水等級 IP57 に準拠※1。撮影部の清掃や消毒ができ、手術現場などで液体がかかる状況でも使用可能。

角や側面が丸みを帯びた形状 指をかけやすい平置き時からも深いホールド部 持ち上げやすい形状

・撮影部の表面はつや消しを施した白色で、明るい環境から暗い環境まで、さまざまな条件下の撮影で照射野※2を容易に確認することが可能。

・撮影した画像を素早く表示、確認が可能な専用コントロールソフトウエアは、高速画像処理、高速描画が可能なイメージングエンジンを搭載しており、

「透視」「一般撮影」などさまざまな撮影に対応。

透視/一般撮影それぞれに対応可能な          専用ソフトウエア(画面イメージ)

※1 その効果を恒久的に保証するものではありません。

<医療用 X 線撮影装置の市場動向>

画像処理や通信などのデジタル技術が急激な進歩を遂げる中、正確で迅速な対応が求められる医療機関においては、患者の医療データを効率的に一元管理することができる電子カルテや、ネットワークを介した遠隔診断システムの導入など、さまざまな分野においてデジタルツールが浸透。現在は、従来のフィルム方式や CR(Computed Radiography)方式※1と比べ、撮影画像の表示スピードが圧倒的に速い DR 方式が多くの医療現場で採用されている。

また、放射線防護の基本的な考えに基づき、「人体への X 線の照射は社会的・経済的要因を考慮しながら、できるだけ少なくするよう努力すべき」という「ALARA※2 の原則」の実現が世界的に求められている。(キヤノン調べ)

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