近畿大学医学部×島津製作所 最新国産PETを評価する産学連携の臨床研究スタート

2020.10.27

近畿大学医学部と株式会社島津製作所は、2020年10月26日から、島津製作所が開発した最新国産PET(※)「頭部・乳房用TOF-PET装置」を用いた臨床研究を、近畿大学高度先端総合医療センターにて実施する。
今回の共同研究では、これまで近畿大学で培われてきた臨床経験を生かし、従来型PET装置と島津製作所が開発した最新国産PET装置「頭部・乳房用TOF-PET装置」で得られたPET画像を比較し、本装置の臨床的優位性の評価を行う。従来の装置では得られなかった新たな情報が得られるかどうかの検討や、本装置の物理評価、撮像手技・データ処理手法の検討を通して、PET検査の今後の可能性を明らかにしていく。
本共同研究は、近畿大学医学部放射線医学教室 放射線診断学部門教授の石井一成を研究責任医師とした特定臨床研究として、2020年8月25日に認定臨床研究審査委員会の承認を得た。最新国産PET装置としての臨床的優位性が明確になれば、積極的に世界展開をめざしていく予定。

【頭部・乳房用TOF-PET装置】
モードを切り替えることで1台で頭部と乳房の両方を検査することが可能となり、患者の負担を減らしながらより正確ながんおよび認知症の検査を行うことができる。
体内の小さな病変の性質をさらにクリアに描出するためには、PET装置の検出器をできるだけ被験者に近づけて撮像を行う必要があり、一般的な全身用のPET装置では開口径が70cm程度必要なため、構造上の限界があった。島津製作所が開発した最新国産PET装置「頭部・乳房用TOF-PET装置」は、30cm以下の開口径で、従来の全身用PET装置と比較して頭部や乳房の近接撮像が可能。
検出器にはシリコンフォトマルと呼ばれる半導体受光素子を採用し、新規設計した高速な信号処理回路と組み合わせることで、感度並びに解像度を向上している。乳房用としてはマンモグラフィのように乳房を挟む必要がないため、痛みを伴わず、かつ乳房の立体的なPET画像を得ることができる。
従来のPET装置では、CTなどの放射線を使用して減弱補正という画像補正を行っているが、本装置ではCTを用いずに画像作成が可能となり、補正のための追加の被ばくがないことも特徴となっている。

<注※>
PET
陽電子断層撮像法(Positron Emission Tomography)の略称。体の中の分子の動きをそのままの状態で外から見ることができる画像診断法の一つ。放射性同位元素で標識したPET薬剤を注射し、PET薬剤から放射される放射線を検出することによって、代謝情報を画像やデータとして測定できる。

【お問い合わせ】
株式会社 島津製作所
コーポレート・コミュニケーション部
広報グループ 小島周子
電話(075) 823-1110(内線3203)
https://www.shimadzu.co.jp