日立製作所、米国のビジスター社を買収し、画像診断分野を強化

2018.01.10

画像診断に関わるワークフローの効率化や経営改善を支援

 (株)日立製作所(以下、日立)の100%子会社で、米国におけるヘルスケア事業の統括会社であるHitachi Healthcare Americas Corporationは、画像診断において、診断レポートの作成などワークフローの効率化を支援する製品・サービスを提供する米国のVidiStar, LLC(以下、ビジスター社)を買収することで同社と合意した。本買収により、日立はビジスター社の診断レポート作成に関する技術力やアナリティクス技術を取得し、超音波検査などの画像診断を行う医療従事者のワークフローの改善に貢献する。

 日立は、ヘルスケア分野を社会イノベーション事業における注力4事業分野の一つと位置づけ、画像診断装置、粒子線がん治療システムなどの診断・臨床分野からITを活用したサービス、地域包括ケアなどのインフォマティクス分野まで、医療の質向上と効率化を実現するソリューションを提供している。特に診断分野では、超音波診断装置のグローバルナンバーワンをめざし、精密検査を行うハイエンドモデルから、日常診断で使うコンパクトモデルまで展開している。

 近年、超音波診断装置、CTやMRIなど画像診断装置の高度化に伴い、得られる画像データ量が飛躍的に増加している。多くの被検者を短時間で検査することやさまざまな画像を撮像することができるようになったため、医師は読影後の検査レポートの作成など負担が増加しており、ワークフローを改善する需要が高まっている。

 ビジスター社は、医師自身でカスタマイズ可能な診断レポート作成機能、クラウドベースのデータ保管機能など、画像診断のワークフロー改善に寄与する製品・サービスを提供しており、現在、米国で1,000施設の顧客基盤がある。ビジスター社の製品・サービスは、特に、超音波診断装置が利用されている循環器科、産婦人科で使われている。

 本買収により、日立は、長年手がけてきた超音波診断装置をはじめとする画像診断装置にビジスター社の製品・サービスを組み合わせ、撮像から診断レポート作成まで画像診断に関わるワークフロー効率化を支援する。また、アナリティクス技術を活用した経営分析により、医療機関の経営改善に貢献する。
 ビジスター社の顧客基盤を活用して米国でのヘルスケア事業の拡大を図るとともに、本買収で得たノウハウをグローバルに展開する。さらに、日立のIoTプラットフォーム「Lumada(ルマーダ)」を組み合わせたデータ活用も検討し、医療現場から経営までを支援し、医療の質向上に貢献していく。

■ビジスター社の概要
名称:VidiStar, LLC
所在地:米国 サウスカロライナ州グリーンビル
代表者:Craig Walker(CEO)
事業内容:超音波検査における診断レポート作成、データ分析、保管などのITサービス
設立年:2005年
従業員数:25名

●お問い合わせ
(株)日立製作所 ヘルスケアビジネスユニット ヘルスケアソリューション事業部 [担当:増岡]
電話:03-6284-3078(代表)
URL:http://www.hitachi.co.jp/