富士フイルム、過去最多の20製品が「グッドデザイン賞」を受賞!

2017.10.12

多様な分野の製品のデザイン力と性能に高評価

 富士フイルム(株)は、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する2017年度グッドデザイン賞において、20製品が「グッドデザイン賞」を受賞した。20製品のうち、ハイブリッドインスタントカメラ「instax SQUARE SQ10」およびスクエアフォーマットフィルム「instax SQUARE Film」と3次元画像解析システム「SYNAPSE VINCENT」の2製品は、特に高い評価を得て「グッドデザイン・ベスト100」に選定された。同社は、1985年から33年連続で同賞を受賞しており、20製品の受賞は同社として過去最多である。

 同社は、あらゆる製品・サービスの開発において、機能や性能を追求するとともに、その優れた機能を最大限に活かすデザイン開発に取り組んでいる。外観デザインの美しさに留まらず、簡単・快適な操作性や携帯性などに徹底的にこだわったデザインの実現により、製品の新たな価値創出を目指している。

 今回受賞した製品は、インスタントカメラやデジタルカメラ、写ルンですといったコンシューマー向け製品から、3次元画像解析システムや内視鏡システム、放送用レンズなどの業務用製品まで多岐にわたる。製品の外観デザインだけでなく、各製品の高い性能、使いやすさ、快適な操作性を実現したユーザーインターフェースなどの観点からも高く評価された。

 デザインを製品価値のひとつと捉えて注力する中、多くの応募の中から、多数の製品が「グッドデザイン賞」に選ばれたことを励みに、これからも優れた製品の開発に取り組んでいく。

「グッドデザイン・ベスト100」受賞製品

3次元画像解析システム「SYNAPSE VINCENT」



<グッドデザイン賞 受賞製品>
■3次元画像解析システム「SYNAPSE VINCENT(シナプス ヴィンセント)」<グッドデザイン・ベスト100>
 CTやMRIなどによる断層画像から高精度な3D画像を描出し、解析する医療向け3D画像解析システム。独自の画像解析技術により、簡単な操作で各種臓器、血管や微細な気管支などを高精細に自動で抽出し、高精度な3D解析を実現する。放射線科、循環器、消化器、呼吸器、頭頸部、泌尿器など幅広い臨床領域において、手術の事前シミュレーションやインフォームドコンセント、治療計画の検討などに活用され、臨床現場における技師の負担軽減や医師の読影業務の迅速化に貢献する。

【審査員の評価コメント】
 独自の画像認識技術により各種臓器や血管などを自動抽出し、正確に疾患部を観察することができる仕組みが実現されている。視覚的な設計がよくできているのに加えて、CTやMRIなどの断層画像からの3Dモデル構築の時間や操作中の処理が非常に短い時間で実現されており実装のレベルも高い。さらに、自動抽出できなかった部分に関する修正方法も直感的であり、さらには修正が必要であったデータを収集して問題点を迅速に解析し、改良機能を短期間でユーザーに提供するなど、総合的な完成度が非常に高いと判断できる。技術や経験に大きく左右されることなく診断に必要な画像を作り出すことは医療の質を高める上で重要で、社会に大きく貢献するデザインを実現できている。



■超音波観測装置「本体(SP-900) /コントロールパッド (CP-900) /スキャナ (RS-900)」
 超音波プローブと接続して使用する超音波観測装置。本体(SP-900)、コントロールパッド(CP-900)、スキャナ(RS-900)で構成されている。検査では電子内視鏡システムと組合せて使用し、超音波送受信用のプローブを、内視鏡の鉗子口から挿入することで、超音波観測が出来る。デザイン開発においては、継ぎ目がなく、緩やかな曲面で構成された筐体と、情報が集約した表示部による特徴的なデザインで、内視鏡システム「レザリオ7000システム」とデザインを統一させた。

【審査員の評価コメント】
 共に応募している電子内視鏡システム(LL/VP-7000)と共通の架台で運用する検査装置として、システムとしてのデザイン統一が為されている。このような専門性の高い検査装置において、それぞれの機器が体系化された操作性を伴うことは、効率的且つ精度の高い検査にとって重要な事であろう。医師や技師には検査の効率化を、そして患者には安心を提供する洗練されたデザインであると評価した。
後列:超音波観測装置「SP-900」
前列左から:スキャナ「RS-900」、コントロールパッド「CP-900」



■医用画像情報システム「SYNAPSE 5(シナプス ファイブ)」
 CT、MRI、CRなどの医用画像診断装置で撮影した画像をサーバに保管し、医師がそれらの画像を院内の端末に表示して、読影診断するための画像情報システム。Web技術と独自の画像処理技術により、診断に適した高画質な画像を提供するとともに、高い稼働安定性と高速な画像処理・画像表示を実現している。「SYNAPSE 5」は、画像処理技術のさらなる向上と、システム全体の設計を刷新したことで、大量の診断画像を従来比2倍のスピードで処理して表示でき、臨床現場での診断効率の向上に貢献している。

【審査員の評価コメント】
 放射線科の読影医を対象とし、現場の状況そして長時間の使用に適した視覚的な設計や操作面の配慮がなされている。加えて、スナップショットやチャットといった機能により、複数の読影医間における非同期のコミュニケーションを促進する仕組みが実現されている。これにより、従来の電話と言葉によるコミュニケーションと比較して、精度を高めつつ負担を下げ、結果として医療の質を向上させることにつながることが十分に期待できる。



■FUJIFILM SonoSite, Inc. 超音波画像診断装置「SonoSite SⅡ(ソノサイト エスツー)」
 救急救命、麻酔科、手術室などにおける利便性向上を追求し、モニターと操作部を一体化させてタッチパネルを採用したフルフラット型超音波画像診断装置。画像の輝度や深さを調整するジョグダイヤルを除くすべての操作部をタッチパネルにした。これにより、検査時の操作性を向上させるとともに、手術室などで薬品や血液が付着しても容易に清掃・消毒できるようにした。プローブを2本同時に接続できるので、診断部位に応じて即座にプローブを切り替えることができる。

【審査員の評価コメント】
 2個のロータリーダイヤル以外にパーティングラインも少ないフラットな表示・操作部は、雑菌などが付着しづらく、ジェルなどで汚れても清掃しやすいと感じた。同時に、視覚的なノイズが少ないため、治療に専念しやすい印象も得た。しっかりとしたキャスターによって、安定した機動性も担保しており、救急救命現場における超音波診断装置として堅実にデザインされている。
手術室での使用イメージ



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富士フイルム株式会社
URL:http://fujifilm.jp