東芝メディカルシステムズ、高精細CT装置Aquilion Precisionを販売開始

2017.04.15

 東芝メディカルシステムズ(株)は、世界初の高精細CT装置Aquilion PrecisionTM(アクイリオン プレシジョン)の国内販売を本日より開始する。
 Aquilion Precisionは、従来に比べ面内・体軸方向にそれぞれ2倍の空間分解能が得られるCT装置だ。この高精細画像を収集するために「X線検出器」「X線管装置」「撮影寝台」などCT装置の核となるすべてのコンポーネントを刷新した。これまで検出不可能だった細かな生体情報を得ることができる世界で唯一の高精細CTにより、新たな臨床価値を提供する。

 X線CT装置は、開発の過程で「広く」・「速く」・「細かく」撮影できるようになり、様々な臨床価値を見出してきた。「広く」という点では、2007年に16cmの幅が1回転で撮影できる320列エリアディテクターCT Aquilion ONETMを発表し、心臓や脳など人体の主要な臓器全体を1回転で撮影できるようになった。「速く」という点では、最速で0.275秒/回転の高速撮影を実現した。しかし、「細かく」という点では、この30年間大きく変わることはなかった。

 より微細な人体構造を鮮明に描出したいという診療のニーズに応えるべく、Aquilion Precisionは、「細かく」撮影することにフォーカスし、空間分解能を大幅に向上させることで、医療の現場に質の高い臨床画像を提供する。同社CTは「広く」・「早く」をいち早く実現し、形態診断から機能診断へと、これまでにない臨床価値を提供してきた。さらに世界で初めて「細かく」を実現することで画像診断のさらなる可能性を提供していく。

 なお、4月15日(土)の第76回日本医学放射線学会総会共催ランチョンセミナーにて、村山和宏先生(藤田保健衛生大学)、曽根美雪先生(国立がん研究センター中央病院)、吉岡邦浩先生(岩手医科大学)による本製品のご使用経験に基づく臨床講演を予定している。また、2017年4月14日(金)~16日(日)にパシフィコ横浜展示ホールにて開催されるITEM2017国際医用画像総合展に出展する。

<新製品の主な特長>
 従来に比べ面内・体軸方向にそれぞれ2倍の空間分解能を得るために、CT装置の核となるコンポーネントすべてを刷新した。これらの技術が一つになることで、初めて高精細CT装置Aquilion Precisionが誕生する。

X線検出器
 高精細画像を可能とするために検出器には、シンチレーター用に新たな素材を開発した。さらに精緻な加工技術と製造技術によって、X線検出器を体軸方向に従来の1/2(0.25㎜)とし、面内方向に従来の2倍(1792ch)の素子を配列した検出器を実現した。

X線管装置
 検出器サイズに適した、極小焦点(0.4㎜×0.5㎜他)を採用しながらも、高出力に対応したX線管装置を搭載した。これにより高い空間分解能でかつノイズの少ない画像を提供する。

撮影寝台
 Aquilion Precision用として新たに開発した撮影寝台には、「2段スライド機構」と「高精度な天板制御機構」を搭載した。このふたつの機構を搭載することで、ミクロの精度で寝台位置を制御することが可能となり高精細CT画像を足元から支える。



●お問い合わせ
東芝メディカルシステムズ株式会社 広報室 江野
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