ジョンソン・エンド・ジョンソン、「CARTO®3」用追加モジュール 「CARTO®3 CONFIDENSETM Module」1月販売開始

2017.01.26

新機能の追加により迅速かつ精度の高い3Dマッピングをサポート

CARTO®システム
CONFIDENCETM Moduleによる心臓の診断画像
 ジョンソン・エンド・ジョンソン(株)メディカルカンパニーバイオセンスウェブスター事業部は、「CARTO®3 CONFIDENSETM Module」(カルトスリーコンフィデンスモジュール)を、2017年1月から販売開始した。「CARTO®3 CONFIDENSETM Module」は、バイオセンスウェブスターが販売する「CARTO®3」に追加して使用することにより、心房細動を中心とした頻脈性不整脈のより効率的かつ精確な診断・治療を支援する。

 「CARTO®3」は、心臓内の電気生理学的情報と3次元の解剖学的情報をシステム上でリアルタイムに統合した3Dマッピング画像を生成し、頻脈性の不整脈の診断から治療までをサポートする医療機器である。磁界と電界を利用した「ACLテクノロジー」により、心臓内に挿入した電極カテーテルを画面上で視覚化することで、術者のカテーテル操作を支援する。システムに対応する治療用カテーテル(THERMOCOOL SMARTTOUCHRシリーズなど)を用いることで、頻脈性不整脈のカテーテルアブレーション治療(注1)を行うことができる。

 今回発売する「CARTO®3 CONFIDENSETM Module」は、迅速・精密な3Dマッピングを可能にするソフトウェアモジュールである。「CARTO®3 CONFIDENSETM Module」は、新たに搭載された以下の4つの機能により、頻脈性不整脈を効率的かつ精確に診断できるようになる。

1) TPI (Tissue Proximity Indication)
抵抗値の情報を基に、電極ごとに心筋組織への近接度を判別※世界初となる判定技術
2) Continuous Mapping
設定したクライテリアを満たしたポイントのみを自動で取得
3) WaveFront Annotation
取得したポイントに対して、より局所の電位をマッピングに反映
4) Map Consistency
取得したポイントに対して、周囲のポイントと整合性の取れていない可能性のあるポイントを機械的に抽出

 「CARTO®3」を使用した従来の頻脈性不整脈の診断においては、心臓内に挿入された多電極カテーテルによって数百から数千ポイントという数の心臓の電位情報を手動で取得している。このため、取得するポイントが心筋に接しているか否かを精確に判別する機能がなかった。また、取得したポイントの適正さは手動の解析作業で判断するため、時間と手間を要していた。
 これに対し、「CARTO®3 CONFIDENSETM Module」は、上記の4つの機能により、厳選された電位情報を自動で取得し、取得した情報を効率的に処理することを実現する。正確な診断に時間を要するというこれまでの臨床上での課題に対応した次世代型の3Dマッピングである。

 「CARTO®3 CONFIDENSETM Module」を先行してご試用いただいている東京医科大学循環器内科の里見和浩准教授は、同モジュールについて、「心臓の電気的な興奮は非常に複雑。自動でかつ精度高く心臓の興奮をビジュアル化できるこの機能は、新時代の幕開けを感じさせる」と述べている。

 超高齢化が進む日本では、心房細動の患者数は今後も増加し続けると予測されている(注2)。また、心房細動は、脳梗塞(注3)を引き起こす主な原因でもある。
 「CARTO®3 CONFIDENSETM Module」により、頻脈性不整脈の診断から治療までを一貫して、より客観的(注4)に行うことが可能となった。つまり、「CARTO®3」は心房細動治療を通じて、脳梗塞予防にも寄与するものとして期待されている。

注1:カテーテルと呼ばれる管を、主に脚の付け根にある太い血管(大腿静脈ないし大腿動脈)から入れ、カテーテルの先をレントゲン撮影で透視しながら心臓まで到達させ、心筋のうち、不整脈の原因となっている異常電気信号を受ける部分を焼灼する治療。

注2:Okura Y et al. “Impending Epidemic Future Projection of Heart Failure in Japan to the Year 2055″ Circ J,2008;72(3):489-91.

注3:厚生労働省「平成27年人口動態統計(確定数)の概況」によると、脳梗塞による年間死亡数は約6万5000人にのぼる。

注4:従来の診断方法においては、心臓内に挿入された多電極カテーテルによって多い場合数百ポイントあるいは数千ポイントの心臓の電位情報を手動で取得し、取得するポイントが心筋に接しているか否か、を精確に判別する機能が備わっていなかった。また、取得したポイントの適正さについての解析作業を手動で行わなければならず、診断精度については術者の知識や経験に依拠する面も多かった。

●お問い合わせ
ジョンソン・エンド・ジョンソン(株)メディカルカンパニー
URL:https://www.jnj.co.jp/jjmkk/