セント・ジュード・メディカル、日本でNanostim™リードレスペースメーカの「The LEADLESS Japan」治験を開始

2015.10.21
 セント・ジュード・メディカル株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:ウィリアム・フィリップス)は、薬事承認取得を目指したNanostim™リードレスペースメーカの安全性及び有効性を評価するThe LEADLESS Japan治験における最初の患者登録を発表した。世界初の、植込み後に摘出可能かつ低侵襲のリードレスペースメーカの植込み手術が、筑波大学附属病院循環器内科の青沼和隆教授により行われた。
 Nanostim™リードレスペースメーカは、2013年にCEマークを取得した。CEマーク取得後は複数の欧州諸国で植込み手術が行われ、米国、カナダ、オーストラリアでは2014年2月にThe LEADLESS II試験を開始した。この試験は、米国食品医薬品局(FDA)薬事承認取得を目指したNanostimTMリードレスペースメーカの安全性と有効性を評価するためのものだ。2015年8月にはThe LEADLESS II試験の初期結果により、Nanostim™リードレスペースメーカの有効性が認められ、初期のデータから、一定期間植込み後の摘出も可能であることが実証され、また長期の電池寿命が期待できることが示唆されている。※1
心臓内に直接植込み可能であり、手術の侵襲性が低いNanostim™ リードレスペースメーカ

 侵襲性の高い手術を要する従来のペースメーカと異なり、Nanostim™ リードレスペースメーカは、低侵襲、すなわち手術・医療処置などで生体を傷つけたり、損傷が生じにくい手術で心臓内に直接植込みできる設計となっている。従来のペースメーカでは、皮下ポケットを外科的に作成する必要があり、それが目に見える状態であったり、瘢痕が残ったり、リードを使用したりする必要があったが、この新しいペースメーカではそのような必要なく留置が可能だ。また、操作可能なカテーテルを用いて大腿静脈からのアプローチで植込みを行うこのデバイスは、摘出可能であるため、植込み手術中に容易に位置を変更することができ、必要に応じてその後に摘出することができる。

The LEADLESS Japan治験について

 The LEADLESS Japan治験は、Nanostim™ リードレスペースメーカの安全性および有効性の評価を目的とする、前向き単一群多施設試験だ。本治験では、日本国内の筑波大学附属病院、小倉記念病院、東京女子医科大学病院の3施設で約30例の被験者登録を予定している。
 本治験の治験責任医師である筑波大学附属病院循環器内科の青沼和隆教授は以下のように述べている。「本臨床研究試験では、シングルチャンバ型心室ペースメーカを必要とする日本人患者様を対象に、最新の低侵襲のリードレスペースメーカの有用性について検討します。この超小型ペースメーカは、皮膚感染等の合併症を低減し、患者様の役に立つことが期待されています。本ペースメーカには、従来の心臓ペースメーカのようなリードがなく、また、胸部皮下に本体を留置する必要もないからです。直接心臓内に本体を留置できるこの先進的なペースメーカは、心血管医学において真に革新的な技術となり得、また、徐脈性不整脈の患者様にとって革新的な治療の一助となることが期待されています。The LEADLESS Japan臨床試験の結果が非常に楽しみです。」

Nanostim™リードレスペースメーカについて

 Nanostim™リードレスペースメーカは、従来のペースメーカと比べて大きさが10分の1未満であり、今日の市場において最も低侵襲のペースメーカだ。サイズが小さく、また外科手術でポケットを作る必要がなく、さらにリードが不要なため、患者様の快適性向上や、機器ポケットに関連した感染症やリードの故障など、従来のペースメーカに伴っていた合併症を低減することができる。また、この機器の電池の平均寿命は100%ペーシングで9年超、50%ペーシングで13年超と推定されている。
 従来のペースメーカでは植込み部位に目に見えるしこりや瘢痕が残る場合があり、リードの位置ずれや損傷を防ぐために患者様は活動制約が余儀なくされたが、このペースメーカではそのいずれも生じない。そのため、この技術により、多くの患者様が活動的で制限のない生活を継続できるようになり、患者様のQOLを向上できる可能性がある。この機器にはセント・ジュード・メディカル社製Merlin™プログラマーが使用されており、このシステムは同社の他のペースメーカや植込み型除細動器(ICD)のインテロゲーションやプログラムにも使用されているものだ。
 チーフ・メディカル・オフィサー兼セント・ジュード・メディカル国際臨床開発部門のバイスプレジデントであるマーク・カールソン医師は述べている。「1958年に最初の植込み型ペースメーカが導入されて以来、ペースメーカ技術は、より小さく、より効率的な機器へと進化し続けてきました。そのような進化にもかかわらず、ペーシング技術には、これまで手術およびペースメーカと心臓を結ぶリードが必要でした。Nanostim™リードレスペースメーカは初めてのリード不要かつ小型化に成功した機器であり、世界中の医師と患者様により侵襲性が低く容易な手術を提供することができます。この技術のもつ特性は、このような命を救う機器のペーシングメカニズムとデザインに変革をもたらし、これからの不整脈治療機器の展望を様変わりさせていくでしょう。」

 心臓ペースメーカは徐脈治療に使用される。徐脈とは心拍が遅すぎる状態で、ペースメーカは心臓をモニタリングし、各患者様それぞれの生理学的必要性に応じて、心拍が遅すぎる時に電気刺激を与える。世界中で4百万人以上が植込み型ペースメーカや他の不整脈治療機器を使用しており、さらに毎年70万人がこのような機器の植込み手術を受けている。

他のNanostim™リードレスペースメーカ臨床試験

 Nanostim™リードレスペースメーカ使用患者様の評価を目的とした前向き単一群多施設試験であるThe LEADLESS試験の最初の結果が昨年発表され、従来のペースメーカに相当する全体的な機器の性能が示された。全植込み手術の平均所要時間は28分であった。
 The LEADLESS II試験は、米国食品医薬品局(FDA)の薬事承認取得を目的としたNanostim™リードレスペースメーカの有効性と安全性を評価する試験であり、2014年2月に最初の米国での植込み手術が実施された。本試験は、FDAの治験用医療機器に対する適用免除(IDE)を受けて行われている。また、2015年8月31日時点において米国、カナダ、オーストラリアの3か国56施設において、526例を登録済だ。

ペースメーカ治療について

 ペースメーカが必要となる代表的な不整脈(徐脈)は2つある。
●完全房室ブロック:
「房室ブロック」とは心房と心室を通っている電気の通り道である「刺激伝導系」の特に「房室結節およびヒス束」で電気刺激が通りづらくなったり、流れが止まったりする病気だ。この病気になると、心拍数が著しく低下し、めまい、失神に陥ることがある。
●洞不全症候群:
心臓のリズムが遅くなる病気で、「洞結節」が機能不全になったり、機能停止したり、洞結節からの信号が途絶したりする。通常「洞結節」が機能不全になると、次の房室結節が心拍リズムをサポートしますが、サポート機能が少ないと心臓から全身に送り出される毎分の血液量が低下し、立ちくらみ、めまい、失神を起こすことがある。

※1.Percutaneous Implantation of an Entirely Intracardiac Leadless Pacemaker
Srinivas R. Dukkipati, M.D., et al. N ENGL J MED 373;12 NEJM. ORG SEPTEMBER 17, 2015

【お問い合わせ先】

セント・ジュード・メディカル株式会社
http://www.sjm.co.jp/

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