セント・ジュード・メディカル、初の4 極リード用CRT-P を日本で上市
Allure QuadraTMは、心臓再同期療法ペースメーカのスタンダードを引き上げ

2014.06.05
セント・ジュード・メディカル(株)は、ペースメーカ市場で初の4極リードであるAllure QuadraTM CRT-P(心臓再同期治療ペースメーカ)を日本で上市した。このCRT-Pは、従来よりも多様なペーシングオプションが利用でき、臨床データが示すように、植込み成功率はさらに向上している。また、4極リードにより植込み効率を高めることができ、再手術を低減する要因となっていることも臨床データが示す通りである。

Allure シリーズのペースメーカには、CorVueTMインピーダンスモニタリング機能をはじめとする心不全(HF)診断機能も搭載されており、患者管理の向上が図られている。
「4極ペーシング技術がCRT-Pに導入されたことは、心不全の治療にとっては大きな前進であり、高い臨床的有用性が実証されたこの技術を新しい患者層に提供する道が開かれました。数々の新しい機能とペーシングオプションが追加されたことで、最適なリード留置が可能になり、この治療法の適用範囲が広がるとともに、再手術が必要なケースも減らすことができます」と石川利之博士氏(横浜市立大学医学部附属病院の循環器内科)が述べている。
同社の低電圧機器(LV)のラインナップを飾るこの新しい製品には、同種の機器として唯一欧州のCE マークを取得した独自の脳卒中リスク識別アルゴリズムが採用されている。このペースメーカベースの診断アルゴリズムを用いた不整脈の検出が心房細動の既往のない高齢の高血圧患者における脳卒中のリスクを予測できるかどうかを検証するべく、臨床試験ASSERT(ASymptomatic AF and Stroke Evaluation in Pacemaker Patients and the AF Reduction Atrial Pacing Trial)が実施された。その結果、心房性頻脈または心房細動の既往はないが、ペースメーカによって不整脈が発見された患者は、ペースメーカによって不整脈が発見されていない患者に比べ、およそ2.5倍脳卒中を起こす可能性が高いことが分かった。
従来のバイポーラ(2極)リードCRT-Pでは、植込んだ10人の患者のうちおよそ1例で再手術が必要になると思われる合併症が発症している。同社の4極ペーシング技術により新たなペーシング構成が可能になり、従来のバイポーラシステムでは実現できなかったオプションが利用可能となった。これらの新たなオプションは、リードの位置を修正するための再手術という負担を患者にかけることなく、一般的なペーシング合併症を管理することができる。
さらに、Allure QuadraTM CRT-Pは、バイタルな診断データに速やかにアクセスし、心不全の進行を初期の段階から把握することを可能にするCorVueTMインピーダンスモニタリングなどの新たな機能を搭載するなど、HF管理機能を強化している。また、Direct Trend TMレポート機能により、すべての装置データを簡略化した形で表示することもできる。この製品は、同機種内最高クラスの4極ペーシング技術と数多くのペーシング構成を搭載。また、TailoredTherapyTM機能によって、植込み時とその後の経過観察時にこの4極システムを最適化することによって、変化する心不全特有の難しさにも対処できる設計になっている。
「セント・ジュード・メディカルの4極リード用CRT-D 製品群が2010年に発売されて以来、医師はすぐれた治療成績※1を挙げています。私たちは、4極リード用CRT-Pラインでも同じ成果が得られるものと期待しています。これらの便益が、費用対効果に優れた解決策として、心臓再同期療法を必要としている心不全患者様のケアの水準を引き上げるものと考えています」と、同社IESDプレジデント、エリック・S・フェインは述べている。
現在、日本の心不全患者数は、52,700人※2である。
Allure QuadraTM CRT-Pは、現在欧州と米国で臨床使用が承認されている。同社の市場をリードする4極ペーシング技術についてはホームページを参照。

※1 Heart Rhythm, Vol. 11, No. 5, May Supplement 2014、“REDUCED MORTALITY WITH QUADRIPOLAR VERSUS BIPOLAR
LEFT VENTRICULAR LEADS IN CARDIAC RESYNCHRONIZATION THERAPY”
※2 平成23 年患者調査(病別分類編) 厚生労働大臣官房統計情報部

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