Verastem社、日本でCOMMAND試験を開始

2014.05.13

日本の臨床施設が中皮腫患者に対するVS-6063の国際共同治験に参加
PMDAの承認を受け、世界の主要市場との同時開発が可能に
 
米国マサチューセッツ州ケンブリッジ(2014年5月12日)がん幹細胞を標的とした抗がん剤の開発を行っているVerastem社は、5月12日、現在実施中のCOMMAND試験の範囲を拡大し、日本の臨床施設を含めることを発表。COMMAND試験は、悪性胸膜中皮腫患者を対象に、同社におけるがん幹細胞を標的とする抗がん剤の主力製品の候補である、強力なFAK(Focal Adhesion Kinase:焦点接着班キナーゼ)阻害剤VS-6063(defactinib)を評価する承認申請を目的とした試験だ。中皮腫は、侵攻性が極めて強く、がん幹細胞を多く含んだ症例が多い肺がんの一種。COMMAND 試験は世界の主要市場で患者の登録を進めており、日本が加わることにより、世界で同時に臨床開発を行うことになる。
 
兵庫医科大学内科学呼吸器・RCU科教授の中野孝司氏は「最も侵攻性が強く死亡率の高いがんの中でも、中皮腫の発生率は日本国内で急速に増加しており、患者生存率は極めて低いのが現状です。中皮腫患者に対する新たな治療法の開発が急務です。」と述べている。
「日本のがん新薬開発は海外に比べて遅れがちです。」近畿大学医学部内科学講座腫瘍内科部門教授である中川和彦氏はこう前置きし、次のように述べる。「VS-6063の第I相試験の評価開始から完了までには1年を要しませんでした。この第I相試験を迅速に完了できたことで、現在実施中のCOMMAND 試験へ、日本の臨床施設を含め、すでに参加している他の主要国と協力して進めることが可能になりました。」
 
同社は、日本人の進行固形がん患者を対象に実施したVS-6063の第I相試験の良好な結果を最近公表した。試験結果によると、試験を行った3用量のいずれでもVS-6063は高い忍容性を示した。このデータは米国での第I相試験の結果と一致しており、重篤な有害事象や用量制限毒性のエビデンスは一切認められなかった。同社はこの結果を活用し、日本人の中皮腫患者においてVS-6063を評価するための臨床試験の開始申請を、日本のPMDAに対して提出した。
 
同社の最高医学責任者Joanna Horobinは次のように述べている。「COMMAND試験への患者登録が、日本の複数施設で可能となりました。当社のVS-6063 グローバル開発戦略では、世界各地での開発活動と並行して日本での承認申請を実現していくことが重要な要素となっています。われわれは、この致死性の高い疾患を抱える患者の生活を大きく改善する可能性を秘めた新しい治療法の開発に全力で取り組んでいます。」
 
悪性胸膜中皮腫について
悪性胸膜中皮腫は、肺を覆う薄い組織層である中皮に発生する侵攻性の強い種類のがんである。中皮腫は、多くの場合、アスベストへの曝露と関連性がある。世界保健機構(WHO)によると、世界では毎年59,000例の中皮腫が報告されている。中皮腫の大半は、1つまたは複数の小結節として発生した後、次第に肺の周囲に固形腫瘍の膜を形成し、最終的に窒息および死に至る。中皮腫はがん幹細胞を含んでいる割合が高く、また現在承認申請されている中皮腫治療法に概ね耐性がある。
 
COMMAND 試験について
COMMAND 試験は、無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)を主要エンドポイントとしてVS-6063を評価する承認申請を目的としたプラセボ対照二重盲検試験である。VS-6063 は、腫瘍の進行および再発の根本原因であるがん幹細胞を標的としている。COMMAND試験デザインでは、バイオマーカーであるマーリンが低いがん患者のエンリッチメントの可能性の評価を行うことができる。前臨床および初期の臨床研究において、マーリン低値はVS-6063等FAK阻害剤の有効性増加を予測できる可能性があることが示されている。また、COMMAND試験では、全患者集団と低マーリン集団の両群においてVS-6063の効果を評価できるよう、患者を層別化している。
COMMAND試験は、米国、英国、日本、オーストラリア、カナダ、南アフリカ、ニュージーランド、欧州本土複数国を含む12カ国の臨床施設で350~400名程度の患者を登録する予定。プラチナ/ペメトレキセドによる標準的なファーストライン治療後、部分寛解または症状が安定している患者をマーリン低値または高値に層別化した後、プラセボまたはdefactinib 400mg群にランダム化した。詳細はwww.COMMANDmeso.comを参照。
 
VS-6063について
VS-6063(Defactinib)は、接着斑キナーゼ(FAK)の阻害によってがん幹細胞を殺傷することを目的としてデザインされた経口治療用化合物である。がん幹細胞は化学療法への耐性、再発、増悪の根本原因の一つとされている。同社のScientific AdvisoryBoardの一員であり共同創設者でもあるRobert Weinberg博士と同社の研究によって、FAK経路はがん幹細胞の増殖と生存に重要な役割を果たしているということが示された。VS-6063について現在海外では、悪性中皮腫に対するCOMMAND試験(www.COMMANDmeso.com)、卵巣がん患者向けのパクリタキセルとの併用治療に関する第I相およびIb相試験、KRAS変異型非小細胞肺がんを対象とした第II相試験が行われ、研究が進められている。VS-6063は、米国と欧州で悪性中皮腫患者治療用として希少疾病用医薬品指定(orphan drug designation)を受ける。
 
Verastem社について
Verastem社(NASDAQ:VSTM)は、がん幹細胞(cancer stem cells)の選択的殺傷によるがん治療の薬剤開発を行う。がん幹細胞は腫瘍の再発、転移の根底にある原因とされている。同社では、がん幹細胞の生存と増殖に必要なシグナル伝達経路(FAK、PI3K/mTOR、Wnt)を阻害する低分子阻害剤を現在開発中。詳細はホームページを参照。
 
将来予想に関する記述
このプレスリリースには同社の戦略、将来の計画と展望(VS-6063:defactinibなど開発中の化合物やFAK 阻害プログラムに関する記述、現在進行中の試験の結果報告時期の見込みのほか計画された臨床試験や保留中の臨床試験の構成といった臨床開発へ向けたタイムラインおよび化合物の規制上の承認、臨床開発の可能性示唆)など、将来予想に関する記述が含まれている。「予想する」「みえる」「信じる」「推測する」「期待する」「意図する」「かもしれない」「計画する」「予測する」「予期する」「企画する」「標的とする」「可能性」「~するだろう」「~し得る」「~すべき」「~し続ける」その他類似表現が将来予想に関する記述として使用されているが、将来予想に関する記述が必ずしも上記の表現を含むわけではない。明示か黙示かは問わず将来予想に関する記述により示された内容は、実際に生じる結果と大きく異なる可能性があります。こうしたかい離を生むリスクおよび不確実な要素には、化合物の前臨床試験と臨床試験の予備データは必ずしもその後の臨床試験の結果を正確に予測するものではないこと、データが欲しい時に利用可能でない場合があること、臨床試験への患者登録に予想以上の期間がかかること、同社がVS-6063を含む化合物の臨床試験を完遂不可能となる場合があること、化合物の開発に予想以上の時間や費用がかかる場合があること、化合物が最終的に規制上の承認を受けられない、または商業的に成功しない場合があることが含まれる。これ以外のリスクや不確実性は、2013年12月31日までを対象とする同社年報10-Kフォームの中の「Risk Factors」の項目や、その後のSECファイルの中に記載。この発表の中に含まれる将来予想に関する記述は、将来のイベントに関する同社の現段階での視点を反映したものであり、同社はこれらの記述を更新する義務は一切負わない。
 
※本プレスリリースは、同社が2014年5月12日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳したものである。
 
 
●お問い合わせ
Verastem社 広報事務局
TEL:03-5561-2915
mail:verastemcommand@cosmopr.co.jp
URL:http://www.verastem.com/

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