東芝メディカルシステムズ、頭部検査と心臓検査に最適化した高画質な3検出器型SPECT装置「デジタルガンマカメラ GCA-9300R」を販売開始

2013.09.12

東芝メディカルシステムズ(株)は、体内に投与した放射性医薬品から放出されるガンマ線を検出して画像化を行う核医学診断用検出器回転型SPECT(注1)装置「デジタルガンマカメラ GCA-9300R™(ジーシーエー9300アール)」を開発し、国内での販売を開始した。同システムは国内で唯一販売される3検出器型SPECT装置である。

開発の背景
SPECT検査は、国内で年間約116万件の検査が行われているが、頭部検査と心臓検査についてはSPECT検査全体に占める割合が増えていると報告されている(注2)。これは虚血性脳血管障害や虚血性心疾患における診断と治療方針の決定などにおいてSPECT検査の重要性が高まっていること、さらに大きな社会問題となっている認知症においてもSPECT検査の必要性が高まっている、といったことが背景にある。
同システムは、これらに対応すべく、頭部検査および心臓検査に最適化した、同社独自の設計で開発されたSPECT装置である。これまで画質において高い評価を得てきたGCA-9300A(注3)の基本コンセプトを受け継ぎながら、よりいっそうの高画質、高速データ処理、操作性向上を実現した。

主な特長
1.3つの検出器により高画質、高速撮像を実現
GCA-9300Rは、汎用的な2検出器型のSPECT装置と比べて、同じ収集時間であればより高画質な画像を得ることができる。SPECT画像を得るためには検出器を360°回転させる必要があるが、2検出器型装置は2つの検出器を180°回転させるのに対し、GCA-9300Rでは120°回転するだけとなるので、効率良く収集することができるため、従来のSPECT装置と同等の検査時間では情報量の多い高画質な画像を得ることができる。また検査時間を短縮しても従来のSPECT装置と同等の画質の画像が得られる。

2.ファンビームコリメータ(※)による高分解能イメージング
GCA-9300Rは、GCA-9300Aから受け継ぐ頭部用ファンビームコリメータにより、脳の深部にある情報をより明瞭に描出することが可能である。汎用的なパラレルホールコリメータと比べて、ファンビームコリメータはより解像度の高いSPECT画像が得られる。

※ ファンビームコリメータはオプション。

3.最新の画像処理技術によりさらなる高画質を追求
GCA-9300Rは、「3D-OSEM(スリーディーオーエスイーエム)再構成」、「SSPAC(エスエスパック)」などの東芝独自のソフトウエアを搭載。これらに加えて、これまで東芝が蓄積してきた画像処理ソフトウエアも搭載することで、従来よりも少ない放射性医薬品の投与量で頭部、心臓に適した高画質なSPECT画像を提供可能となっている。

4.使いやすさにも配慮したさまざまな装備
GCA-9300Rは、寝台や本体を操作するためのハンドスイッチ、頭部検査用ヘッドドーム、頭部位置合わせ用投光器や、調整機能付ヘッドレストなどを装備することで、使いやすさを実現した。

(注1)SPECT:Single Photon Emission Tomographyの略。SPECT検査ではガンマ線を放出するラジオアイソトープを用いる
(注2)核医学診療の現状 第7回全国核医学診療実態調査中間報告(公益社団法人日本アイソトープ協会)
(注3)GCA-9300Aは、同社が1989年に販売を開始、北米核医学会SNM1990にてImage of the yearを受賞、2003年に販売を終了した装置で、20年以上にわたり国内の各所で頭部SPECT検査や心筋SPECT検査で使用されている3検出器型ガンマカメラである。

●お問い合わせ
東芝メディカルシステムズ株式会社
広報室
TEL:0287-26-5100
URL:http://www.toshiba-medical.co.jp/tmd/