富士フイルム、システム計画研究所 生体情報システム事業を買収

2012.02.28

– 診療情報統合システムの開発を推進 –

 富士フイルム(株)(社長:古森 重隆)の子会社である富士フイルムメディカル(株)(社長:平井 治郎、以下FMS)は、(株)システム計画研究所(代表:嶋田 駿太郎、以下ISP)と、ISPの生体情報システム事業を平成24年4月1日に買収することに合意した。
 同買収はFMSの子会社ヤギー(株)を通じて行われる。平成24年4月1日にヤギー(株)の社名を富士フイルムメディカルITソリューションズ(株)に変更し、ヤギーの診療支援システム開発事業と、買収した生体情報システム事業を連携させ、病院内の主な生体・検査情報などの診療情報を集約、管理する、診療支援ソリューションの開発を新たにスタートさせるという。

 生体情報システムは、心電図や血圧、超音波画像、呼吸機能などの生体情報を管理し、適切な診断・治療・ケアを支援するシステムで、病院内の救命救急部門・集中治療部門・生理検査部門や手術室などの各部門に広く導入されている。今回買収の対象となる生体情報システム事業では、メーカを選ばず各社の生体検査機器に対応する汎用性や検査フローとの適合性が病院で高く評価されている、オープンなマルチベンダ対応システム「Prescient(プレシエント)」を提供している。

 富士フイルムは、医用画像情報システム(PACS)(*1)「SYNAPSE(シナプス)」を核に、各種モダリティ(*2)の画像をネットワークで管理するとともに、循環器画像システム「SYNAPSE CardioVascular(シナプス カーディオバスキュラー)」や、内視鏡・超音波情報管理システム「NEXUS(ネクサス)」など、放射線科以外の情報システムも提供し、医療IT事業を拡大している。昨年7月には、脳卒中の救急医療をスマートフォンでサポートする遠隔画像診断治療補助システム「i-Stroke(アイストローク)」を発売し、救急医療の現場にもITを利用した新たなシステムを提案している。

 今回買収する生体情報システム事業が提供するシステムを富士フイルムの医療ITシステムと連携させることで、院内の検査診断画像情報から救急診療や集中治療の生体情報までを集約統合して管理でき、より適切な診断・治療・ケアをサポートすることが可能となる。同社は今後、院内で診療部門ごとに管理されているさまざまな検査情報などを統合して診療を支援する「診療情報統合システム」の開発を推進していくという。

*1 Picture Archiving and Communications Systemの略。
*2 CT、MRI、超音波診断装置など、医用画像機器。

●買収対象となる生体情報システム事業の概要
救命救急部門・集中治療部門・生理検査部門など、院内で広く用いられる心電図や超音波、呼吸機能などの生体情報システムの開発、販売、保守。

●平成24年4月1日に発足する新会社の概要
商号:富士フイルムメディカルITソリューションズ株式会社
本社所在地:東京都中央区八重洲1-5-3
代表取締役社長:園田 実
資本金:1億円
事業内容:病院内の主な生体・検査情報などの診療情報を集約、管理する診療支援ソリューションの商品企画開発、販売、サポート・コンサルティングなど。

●お問い合わせ
富士フイルムメディカル(株)
営業本部マーケティング部
TEL 03-6419-8033
URL:http://fms.fujifilm.co.jp/