富士フイルム、膵充実性病変が疑われる領域を検出するソフトウェアを開発

2025.05.21

膵臓がんの早期発見をサポート

富士フイルム株式会社は、5月20日、超音波内視鏡検査時に膵充実性病変が疑われる領域をリアルタイムに検出し、膵臓がんの早期発見をサポートする超音波内視鏡診断支援ソフトウェアを開発したことを発表した。

同ソフトウェアは、AI技術を活用して開発された、超音波内視鏡診断を支援する医療機器として、日本で初めて承認された。これにより、内視鏡診断支援機能「CAD EYE」による病変検出の対象領域が従来の下部消化管・上部消化管から膵臓まで拡大される。なお、本ソフトウェアの発売は2025年内を目指す。

膵臓がんは、5年相対生存率が8.5%と、食道がんや胃がん、大腸がんに比べて極めて低く、日本では年間4万人近くの方が膵臓がんにより命を落としている。一方、早期(腫瘍径1cm以下)に発見できた場合は5年相対生存率が80%超となるため、早期の段階で発見し、治療につなげることが重要だ。超音波内視鏡はCTなどほかの画像診断機器と比べて、特に微小な膵臓がんを発見する能力に優れ、膵臓がんの診断には超音波内視鏡を使用することが一般的だが、検査の難易度が高く、術者間で技量の差があるということが課題として挙げられている。

同ソフトウェアは、超音波内視鏡画像を解析することで、膵臓が存在すると推定される領域を表示するとともに、膵充実性病変が疑われる領域をリアルタイムに検出し、その結果をモニターの超音波内視鏡画像上に表示。術者に注意喚起することで膵充実性病変の検出を支援する。

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