ボストン・サイエンティフィック ジャパン、心房中隔穿刺をより迅速に 新システム「VersaCross Connect™」5月1日発売

2025.04.24

FARAPULSE™パルスフィールドアブレーション システム・WATCHMAN FLX™ Pro 左心耳閉鎖システム対応の進化型デバイスで、シース交換不要のスムーズな手技を実現

 ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:森川智之氏)は、5月1日より、左心房治療に使用する心房中隔穿刺システム「VersaCross Connect™」の販売を開始する。

 本製品は、医療機器として国内で3製品目となる経済性加算の適用を受けた。本加算は、本製品が既収載品を使用した場合と比較して特定保険医療材料に係る医療費削減に寄与する点を評価された結果である。これにより、患者さんの負担軽減や医療機関の運用効率向上に貢献することが期待される。VersaCross Connectは、心房中隔穿刺法を用いた左心房へのアクセスをより効率的に行うための次世代型システムである。心房中隔穿刺法は、心房細動のカテーテルアブレーション治療や左心耳閉鎖術において、心房中隔に小さな開口部を作り、カテーテルを右心房から左心房へ安全に通過させる手技。これまでは、選択的導入用(汎用)シースと遠位端可動型(専用)シースの両方を使用していましたが、VersaCross Connectは、汎用シースが不要となる。本製品は、従来の心房中隔穿刺システムに比べ、カテーテル交換回数を減らすことで手技を簡略化し、より効率的な治療を可能にする。

 ボストン・サイエンティフィック ジャパンの代表取締役社長、森川智之氏は、「当社は、医療従事者の負担軽減と患者さんにより良い治療を提供することを目指し、革新的な技術を開発しています。VersaCross Connectは、心房中隔穿刺のプロセスを合理化し、より効率的な治療を可能にする製品です。医療の現場で求められる手技の最適化に貢献し、医療資源の有効活用にも寄与できると考えています」と述べている。

 カテーテルアブレーション治療は、心房細動の根治を目指す治療法で、日本での2022年度の治療件数は10万例を超えており、心房細動の増加により手技件数の増加も予想されている。

 湘南鎌倉総合病院の循環器科主任部長 村上正人先生は、「VersaCross Connectの導入により、従来必要であったカテーテル交換の手間がなくなり、心房中隔穿刺術が簡便になると考えます。医療者の負担が減り、より質の高い治療を提供できることは大きなメリットです」と述べている。

販売名:Baylis RF トランスセプタルワイヤー
医療機器承認番号:30300BZX00001000

VersaCross Connectの特長とメリット

 本製品は、VersaCross RFワイヤ(高周波型ワイヤー穿刺針)、接続ケーブル、ダイレータで構成されている。既存品は心房中隔穿刺位置までのアクセスには汎用シースを、治療部位への移動は治療用デバイスに含まれる遠位端可動型(専用)シースが用いられていたが、本製品は、弊社治療用デバイス(POLARx、FARAPULSE、WATCHMAN)との併用を意図してさらなる開発を進めたことで、汎用シースを使用することなく手技を行うことができるようになった。従来のシステムと比較し、使用するシースの数を削減することで、医療コストの最適化に貢献する。また、カテーテルの交換回数が減ることで、空気塞栓などの合併症リスクの低減が期待されるとともに、手技時間の短縮や負担軽減にもつながる。WATCHMANを活用した左心耳閉鎖術では、従来の手技では14の工程が必要だったが、VersaCross Connectを使用することで7工程に短縮され、手技の簡便化と医療従事者の負担軽減を実現する。

既存の心房中隔穿刺システムとWATCHMAN を使用した左心耳閉鎖術
VersaCross ConnectとWATCHMAN を使用した左心耳閉鎖術

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