フィリップス、小児MRIフィリップスユーザーズミーティング開催

category:取材速報
2011.09.21
西村 玄氏
大内一也氏
矢部 仁氏
粟津原信一氏
武村 濃氏
槇殿文香理氏
安河内 聰氏
鈴木淳子氏
川崎富作氏
石崎邦明氏
 (株)フィリップスエレクトロニクスジャパンは、9月17日、東京都立小児総合医療センター(東京都府中市)にて、「小児MRIフィリップスユーザーズミーティング(CUTE)」を開催した。
 まず西村 玄氏(東京都立小児総合医療センター放射線科部長)より、開会の挨拶がされた。その中で同氏は「二回目である今回は心臓がテーマである。心臓MRは実施している施設が少ないようだが、ポテンシャルとしては非常に大きなものがあり、進歩が一番大きい領域であると考えている」と本会の開催の趣旨を述べた。
 その後、大内一也氏(東京都立小児総合医療センター放射線科)より「Cardiac study coilの検討」と題し、Cardiac studyに使用するコイルの選択について発表が行われた。同氏はFlex-M、Ped Torso Cardiac、Cardiacを比較した結果として「当院では現在、Cardiac studyの撮影では患者の年齢と体格をみて、Flex-MとCardiacを使い分けている。Ped Torso Cardiacは腰椎、腹部・骨盤、長管骨などでその特徴を活かして使用している」と述べた。
 次に、矢部 仁氏(埼玉県立小児医療センター放射線技術部)により「2DPC法を用いたもやもや病における脳血流測定について」の講演がなされた。同氏は「小児のもやもや病は急速に症状が悪化する。そこで、脳血流量を継続的に定量化し症状の悪化を予測できないか、と考え、脳血流の定量評価するモダリティとしてMRIを検討した」と説明。「もやもや病の脳血流量を1年2ヶ月間に5回MRIにより測定した結果、徐々に低下を示していた。この結果から、脳血流の変化をMRIにてとらえることができたと考えられる」と結論づけた。
 粟津原信一氏(長野県立こども病院放射線技術科)は「当院における心臓MRI検査」と題し、同院でのMRI検査状況と撮影方法を紹介した。同氏はWhole Heart撮影時の注意点として、「体格にあったコイルの選択」、「ポジショニング」、「静止時間の把握」、「検査時間の短縮」等をあげた。検査時間の短縮に関しては「操作の熟知、検査のプランニングを事前に決めておくことが大事である」と事前準備の重要性を改めて語った。
 その後武村 濃氏(フィリップスエレクトロニクスジャパン(株)MRアプリケーションスペシャリスト)より、「小児循環器領域に対する撮像技術」と題し技術講演を行った。その中で同氏は小児専用コイルの有用性について「小児専用コイルFlex-M coilを用いることで、小児循環器領域の画像を鮮明に得ることが可能である」と説明し、小児領域MRIにおける、各個人に合わせた設定の重要性を示した。
 休憩を挟んだ後、槇殿文香理氏(都立小児総合医療センター放射線科)により「小児の心臓MRI MRIによるGlenn手術、Fontan手術後の側副血行の評価」と題し講演がなされた。同氏は「診断・治療の向上と共に、小児先天性心疾患患者の多くが成人を迎えられるようになり、患者の術後評価に非侵襲的なMRIを使用する頻度が高くなっている」と説明。また同氏は最後に「技術の進歩と共に心臓の画像的アプローチ法も多岐にわたるようになってきており、MRIはその低侵襲性から臨床応用の範囲は今後更に広がる可能性がある」と述べ、MRIを使用した機能診断への期待を示した。
 次に安河内 聰氏(長野県立こども病院循環器小児科)が「先天性心疾患のMRI診断」について講演を行った。同氏はまず、同院で行っている診断を臨床例を示して説明。その後、今後のMRIに望むこととして「定量評価へのアルゴリズムの開発」「容量計算におけるauto border detectionによる計測」「3D display法の開発」等をあげた。最後に同氏は「MRIには、まだ多くのやれることがあると考えている。今後も開発に役立つ情報を提供していくので、メーカには更なる開発をお願いしたい」と語った。
 続いて、鈴木淳子氏(元東京逓信病院小児科)が「川崎病の心血管障害におけるMRIの役割」と題し、今まで経験した臨床例を示して講演を行った。同氏は「MRCAは非侵襲的に川崎病の急性期から遠隔期まで、乳児から成人まで、様々な冠動脈障害の診断と経過観察に有用である」とMRIを使用した川崎病心血管障害の診断への有用性を解説した。
 その後、特別講演として川崎富作氏(特定非営利活動法人日本川崎病研究センター理事長)が「川崎病と私」と題し、川崎病発見とその経緯を講演した。同氏は川崎病とはじめて遭遇したときに、「特異な臨床症状であると感じ、似た症状を持つStevens-johnson症候群や猩紅熱とは異なる」と考えたと述べた。その後、同様の臨床症例を多く経験し、発表した経緯から、治療法の考察にいたるまでを当時の資料を示して説明を行った。最後に同氏は「現在に至るまで川崎病の確実な原因はわかっていない。ぜひ、会場に来ていただいた先生方、またその後輩方にこの病気の原因を解明して欲しいと希望している」と今後の医療の発展を願った。
 最後に石崎邦明氏(東京都立小児総合医療センター放射線科)が挨拶を行い、同氏は「小児放射線領域で、MRI検査についてディスカッションをする機会はあまりない。そのような中でこのような機会を今後も作っていきたいと考えている」と述べ、参加者と講演者に御礼の言葉を述べた。
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