2nd ECTIS「CTで心臓を診る」、Webにて開催

category:取材速報
2020.06.04

 クリニカルCT画像研究会は5月30日(土)、2nd ECTIS「CTで心臓を診る」をWebにて開催した。
 
 はじめに基調講演において、望月純二氏(みなみ野循環器病院放射線科)が「心臓CTでわかること」というテーマで、以下のように述べた。
 日本における心臓CTの件数は年々増加傾向にあり、現在では循環器領域におけるルーチン検査の一つで多くの施設で行われている。日本人の死因の第2位である心疾患の半数以上が虚血性心疾患であるが、心筋梗塞を発症する方の70%のうち冠動脈狭窄率は50%未満であることから、冠動脈の有意狭窄を評価するだけでは心筋梗塞を減らすことはできないといえる。よって望月氏らは心電図造影CTを冠動脈CTではなく心臓CTとして捉え、様々な解析を行っているという。
 今や心臓CTは、冠動脈以外にも様々な情報を得ることができる。また、循環器の臨床を大きく変えたといっても過言ではない。さらにDECTの登場により、有用性が今後さらに高まるのではないかというように考えていると結論付けた。

 続いて、研究発表では5つの題目が発表された。まず、藤村耕平氏(東京医科大学八王子医療センター)は「CT derived FFRの現状と課題について」と題し、CT derived FFRから得られるFFRCT、CT-FFRの臨床試験や臨床画像などを比較した。氏は「CTから得られるFFRは非侵襲的に機能虚血を評価でき、時代のニーズに合った有用なツールである。CT大国である日本に普及することで、虚血性心疾患のゴールドスタンダードな診断ツールになり得るため、今後は誤差の要因を究明し、患者個人の診断制度を向上させることが重要である」と語った。
 
 次に鷲塚冬記氏(東邦大学医療センター大森病院)は「当院における超高精細CTとDual Source CTによるcoronary CTAの現状」と題し、同院のDSCT、UHRCT装置の特徴を物理評価、臨床例より比較して同院におけるcoronary CTAにおける装置の使い分けを発表した。時間分解能、空間分解能、被ばくの三つの側面から比較し、検討した結果、氏は「特徴の大きく異なる2機種を用いcoronary CTAを行うため、十分な患者情報の取得を行い、使用装置を選択することより、最良の画像を提供することが可能となる」と述べた。
 
 高柳知也氏(高瀬クリニック)が「冠動脈CTにおける被験者間のCT値均一化の検討」と題し、冠動脈CTAにて被験者間におけるCT値の均一化を目的とし、CT検査前に得られる情報から補正できるか検討された。結果として、撮影前に得られる情報の中で上行大動脈CT値と有意な相関を認めたのはBMIと性別であり、CT検査前に得られる情報から男性の上行大動脈CT値と女性の上行大動脈CT値が予測された。氏は「上行大動脈CT値はCT検査前に得られる情報から、性別とBMIで注入速度を補正することができる可能性が示唆された」と締めくくった。
 
 丹羽辰徳氏(榊原記念病院)は「TAVI術前CT検査における呼気撮影の有用性」と題し、同院のTAVI術前CT検査における呼気撮影の有用性ついて評価が行われた。調査結果より、Perpendicular View決定の撮影回数が全例1回であったことにより、TAVI術中の造影剤使用量が抑えられ、TAVI弁挿入まで角度変更することなく手技がスムーズに行うことができ、全体の被ばく線量が抑えられたと考えられた。氏は「TAVI術前CT検査の呼気撮影は、術前スクリーニングのみならずTAVI術中の支援画像として有用である」と結論付けた。
 
 研究発表の最後は、上山忠政氏(鳥取県立中央病院)が「心外膜脂肪は心房細動に影響する」と題し、左房周囲脂肪と持続性心房細動との関わり、心外膜脂肪の蓄積位置と心疾患との関わりをそれぞれ検証した。両者には関連があり、心房周囲脂肪から炎症性物質を分泌することなどが原因として心房細動が悪化する、また、心室周囲に脂肪がつくことで異常電気信号の発生及び左室拡張障害の起因として考えられた。氏は今後の展望として、「これらは性別による差があるか、また、カロリー制限や運動療法導入による心外膜脂肪の減少の有無を自施設で確認したい」と発表した。
 
 続いて、佐藤英幸氏(順天堂大学医学部附属順天堂医院)による技術講演「心臓CTに求められる機能評価」が行われた。「CTにおける機能評価(Dynamic-CT-Perfusion・FFR-CT)」において、同院での症例結果を提示した上で、機能的評価をCTで行う最大のメリットは冠動脈評価と心筋評価が一度に行えることだと述べた。氏は「安定冠動脈疾患に対するPCIの適応は形態評価だけで見ていくのではなく、機能評価も加えて判断していくことが重要になっている。冠動脈CTAと同時に機能評価することに対して、包括的評価が一度の検査で行えることは非常に大きなアドバンテージがある。さらに機能評価には撮影・解析技術の向上が必要になり、それらを行っている施設の情報共有を行い、今後有用な検査として確立させられればと考えている」と語った。
 
 続いて、帆足正勝氏(アミン株式会社)より「Ziostation2を用いたCT心筋遅延造影解析」と題した技術情報が発表された。心臓CT遅延相の画像に対して心臓CT冠動脈相の画像をサブトラクションするSMILIE(Subtraction Myocardial Image for LIE)の描出法を、Ziostation2実機の映像を用いて説明が行われた。また、単純CTと遅延造影のCTを用いて定量化を行うECV解析において、単純CTを使用してサブトラクションすることにより造影剤のヨード量がどの程度心筋にたまっているかを判断しECVを算出するという、心臓CTの新たな定量解析が提案された。
 
 最後に、次回当番世話人である庄司友和氏(東京慈恵会医科大学附属病院)より、第3回の開催について発表された。「低管電圧」をテーマとした第3回は、11月23日、東京慈恵会医科大学附属病院での開催が予定されている。

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