富士通、従業員7万人を対象に「がん教育」を実施 従業員の健康意識の向上のため大規模な健康教育をスタート

category:取材速報
2020.01.21

 2020年1月15日富士通(株)本社にて、国内従業員7万人を対象とした「がん教育」を実施することが発表された。

 はじめに、東泰弘氏(富士通株式会社健康推進本部健康事業推進統括部 統括部長)から、富士通の社内でのがんの現状について。「従業員のがん死亡数は横ばいだが、新規がん発生状況は増加傾向にある。女性は30〜40代から罹患率が高く乳がんが半数を占める。男性は50代後半から加齢とともに増加傾向となる。少子高齢社会の進行により、女性や高齢の社員の増加が予測され、これに伴い、がんへの取り組みが企業として大きな健康課題となる。現在、従業員へのがん検診は、生活習慣病健診と同時実施で必須。子宮がん・乳がん検診、前立腺がん検診は対象者へ任意で実施。どちらも会社や健保組合の補助があり自己負担はない。また、がん治療者へは就業状の配慮が必要な場合への対応など、がんへの取り組みを会社の制度・サポート体制としてはすすめている。ただ、がん検診受診率の向上や、がん治療者が働きやすい職場環境の醸成のためには、がんへの正しい知識を持つことが重要」と、がん教育の意義を説明した。

 次に、中川恵一氏(東京大学医学部附属病院放射線科准教授)は、日本は、男性2人に1人、女性の3人に1人ががんになるがん大国であり、在職中の疾病による死亡の9割はがんであることから、備えとして、がんの知識を持つことが重要と訴えた。学校教育では、中学高校の保健体育の学習指導要領にがん教育が明記されることとなり、今後知識が足りないのは働く世代。実際、国別のヘルスリテラシーの平均点では日本は最下位という結果もあり、全ての企業が、がんへの取り組みが必須。また、企業が健康教育を実施することは、従業員への浸透力が高く効果的であること、また企業としても従業員の健康を守ることで、企業価値が高められると話した。

 がん教育の具体的な方法は、健康セミナーとeラーニングを活用。eラーニングの内容は、中川氏の監修で1テキスト約30分。①がんの基礎知識 ②がん予防につながる生活習慣 ③早期発見・早期治療のためのがん検診の重要性 ④仕事とがん治療の両立支援の4構成にて作成された。

 eラーニングプログラムは現在富士通従業員対象だが、多くの企業が活用できる内容に再編集し、がん教育ツールとして、厚生労働省の委託事業である「がん対策推進企業アクション」に提供し広く活用してもらうことを計画中とのこと。また、富士通として、今後も従業員へ年1回の健康教育を実施していく。がんに続き、第2弾としては「片頭痛」を取り上げる予定だ。

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