ハートフロー・ジャパン合同会社 自社FFRCT解析普及に意欲

2018.12.07

 ハートフロー・ジャパン合同会社は2018年12月4日(火)丸の内ビル8F(東京都千代田区)にて、2018年12月1日より保険収載適用になった、冠動脈疾患の疑われる患者へのハートフローFFRCT解析について記者発表会を開いた。

 会にはチャールズ・テイラー氏(ハートフロー創設者兼最高最高技術責任者)と横井宏佳氏(福岡山王病院循環器センター長)とが登壇。はじめに登壇したチャールズ・テイラー氏は世界の冠動脈疾患とそれを取り巻く医療の状況から、ハートフローFFRCTが、冠動脈CTAにプラスして行うことで1度の診察だけで解剖学的・機能病変的なデータを提供できる唯一の非侵襲的心臓検査であることや、ほかの非侵襲的検査と比べても優れていることをSPECT、PETなどとの比較をあげて総括的に語った。次に氏はハートフローFFRCTの強みとして、この解析が、患者ひとりひとりのために個別化された検査であることをあげた。ハートフローFFRCTではCTデータから患者個別の解剖学的、生理学的モデルを作成し、そののち病院に提供する。ハートフロー社では世界各地から患者のCTデータを受け取り、受け取った先で各分野ごとのアナリストによるモデルの検査、修正が逐次行われている。このアナリストたちは患者1人につきプライマリー、チェック、QC(クオリティチェック)の最低限3人がつく。アナリストたちはアルゴリズムを逐次修正していくが、患者のCTデータが増えアルゴリズムが改善されていけば、修正の必要性も減少していくというサイクルが産み出され、より特化した解析が行える見通しだ。

チャールズ・テイラー氏


 続いて横井宏佳氏は臨床的なデータをもとに、患者への不必要な治療のカットとしてのハートフローFFRCTについて語った。会の中で横井氏は「CT画像をデータセンターに送れば、翌朝には解析結果が届く。カテ室に行く前の段階で、前もって非侵襲的に患者の状態を診ることが可能になれば、カテ室では本当にインターベンションを必要としている患者への治療に専念できることとなり、質の高い治療につながっていく」と述べている。
 また横井医師は、「日本のカテ室にはステントがいっぱいあって、それらは滅菌切れで捨てられていく。PCIプランナーが確立すれば、インターベンションの革命が起こり、もっと安く、もっと速い医療の提供が可能になるだろう」とインターベンションの物流の革命についても話を広げた。

横井宏佳氏


 質疑応答では、ハートフロー社の今後目指していく事業目標・市場目標についての質問が飛び出し、数年後は福岡山王病院のようにハートフローFFRCTを有効に活用する病院を増やしていきたい、ビッグデータとしてCT情報をストールし、世界へ発信することも見込んでいきたいなど将来的な展望が述べられた。

ipadをタッチすることで簡単に操作できる(日本ではバーチャルステンティングは未認可。)