日立製作所、「Hitachi Social Innovation Forum 2018」を開催 ―社会イノベーションで、ともに豊かな社会を―

2018.11.02

㈱日立製作所は10月17日(水)、「Hitachi Social Innovation Forum 2018 ―TOKYO―」を東京国際フォーラム(東京都千代田区)で開催した。通算で20回目の開催となる本イベントは、講演、対談、ビジネスセッション、セミナー、展示などの多彩なプログラムを通じて、同社ならではの強みであるOT(Operational Technology)×IT(Information Technology)×プロダクトを組み合わせた、進化した社会イノベーション事業の成果や、今後の展望などを幅広く紹介する世界最大規模のイベントとなっている。

ヘルスケア・ライフサイエンスの展示エリアでは、日立粒子線治療システムの発表が行われた。患者の負担を抑え、QOL (Quality of Life)の高い治療の実現を課題とし、その解決策として、粒子線の停止線で線量が高くなる「ブラッグピーク」という物理特性を活用する治療法を発表した。これは、従来のX線による放射線治療よりも患部への線量集中性が高いため、健常部位への放射線による影響が抑制可能である。このシステムは世界29か所に納入・契約した実績があり、納入から保守までのサポート、15年以上の保守サービスの経験や、保守員の施設常駐、リモートメンテナンスなどによる高品質保守といった特長があると公開した。適用分野として放射線を用いたがん治療が検討されている。ヘルスケアビジネスの主力事業の一つである粒子線がん治療システムのグローバル展開を通じて、世界のがん治療に貢献していく。

また、デジタルテクノロジーによる医療用画像診断支援ソリューションにおいては、同社が活力を注力している人工知能による画像支援の取組みについて紹介された。大量の医用画像の効率の良い診断、画像診断の質の向上を課題であるとした上で、解決策として人工知能などのデジタルテクノロジーを採用することにより、医師の画像診断を支援、病変の見落とし防止に貢献することが挙げられた。さらに、病変検出・解析の自動化により簡単に診断結果の文章を作成できるようになり、画像診断業務による負担を軽減するとしている。これらは医療機関への適用が検討されているとのことであった。