東芝メディカルシステムズ、超音波診断装置「Aplio iシリーズ」の新製品発表会を開催

2016.05.16
瀧口登志夫氏
川岸哲也氏
デモンストレーション風景
Aplio i900
会場風景
 東芝メディカルシステムズ株式会社は、5月11日(水)、JPタワーホール&カンファレンス(東京都千代田区)で、超音波診断装置新製品発表会を開催した。
 まず、瀧口登志夫氏(代表取締役社長)が、超音波事業戦略について語った。超音波診断装置発売開始から50年の歴史を振り返った後、より細かな血流を感度良く描出することが可能となった同社独自の技術SMI(スーパー・マイクロバスキュラー・イメージング)について触れ、5月27日(金)から販売が開始される新製品Aplio i(アプリオ アイ)シリーズをF1マシンのような装置だと紹介。これにより現在世界で第3位の超音波診断装置の市場で、シェア率NO.1を目指していきたいと意気込みを語り、最後に4月に大震災の被災地となった熊本に装置を提供させて頂いたと締めくくった。
 次に、川岸哲也氏(超音波開発部)がAplio i(アプリオ アイ)シリーズについて紹介した。今回発売されるのはAplio i 700、Aplio i 800、Aplio i 900の3製品で、これまでの超音波装置から大きくステップアップしているという。Bモード技術の進化により、超音波診断の課題となってきたガス(空気)の影響をミニマイズ。iBeam技術によって超音波の送受信のビームの形状を細く鋭くし、近距離から遠距離まで均一にすることで、客観的な検査のために、鮮明な画像を実現。これにより患者を選ばず、検査者の負担もかるくするというメリットもある。Aplio i 700では、面(2次元的)に広がる超音波のビームを細くし、Aplio i 800ではプラスして厚み(3次元的)に細く、さらにAplio i 900はビームを細くしたことに加え、ボリュームデータをリアルタイムに映像化することが可能になった。この技術とSMIを進化させたことにより、これまで超音波があまり使われてこなかった皮膚科などへの応用も期待されている。また、新ワイドバンドiDMSプローブは帯域が広いことが特長で、分解能・感度が良く、適用範囲も広い。そして、先進のアプリケーションにより腹部、循環器、産婦人科のすべてのアプリケーションにも対応できるようになった。さらに、23インチの大型ワイド画像液晶モニタを採用し、操作ボタン数を減らすことで直感的操作を可能にし、さらにWi-Fiで装置に接続されたタブレット型の端末でも簡単な操作が行なえて、セカンドコンソールとして使用することができる。ここにシンプル&直感的で体に優しいエルゴノミクスとの融合が実現した。
その後、Aplio iシリーズ使用経験と期待される臨床的有用性について、畠 二郎教授(川崎医科大学 検査診断学 内視鏡超音波部門)はインタビュー映像にて、超音波の理想であり、「深い所まで細かく見える」を実現させた機器だとし、従来は見落としてきたかもしれない病変などを、よりきっちり拾い上げて診断できるという効果が期待できると述べた。
そして最後に新製品によるデモンストレーションが行われ、検査者に負担の少ない検査の様子が披露された。