一般社団法人日本医療機器産業連合会、日本の医療機器の国際展開に関するメディア・セミナーを開催

2015.11.25

松本謙一氏

依田紀男氏

城風淳一氏
 一般社団法人日本医療機器産業連合会(医機連)は、11月16日、同連合会会議室(東京都新宿区)で、日本の医療機器の国際展開における医機連の取り組みに関するメディア・セミナーを開催した。
 冒頭、松本謙一氏(医機連副会長、国際関係管掌役員)は、これまで経済交流を視野に関係を築いてきたキューバにおける医療人材育成、中央アジア諸国と進めている交渉の現状等を交えながらあいさつ。経済交流には文化や芸術等を通じての相互理解が不可欠であると結んだ。
 依田紀男氏(国際政策戦略委員会委員長)は、国際ビジネス展開戦略として、日本企業にとって関門となる各国の医療機器登録申請の負担を軽減するために医機連が取り組んでいる活動の経過について報告を行った。
医機連は多国間医療機器規制整合化の活動としてIMDRF(8カ国規制当局会合)に参画、各国との調和のとれたルール作りに努めると同時に、二国間医療機器規制整合化を進め、課題の早期決着を目指してきた。後者の成果として、ブラジルとの間で製品登録期間の延長(5年⇒最大10年)、マレーシアにおける医療機器登録のCAB審査項目の簡素化を挙げた。同氏はまた、医療機器規制の導入が相次ぐASEAN諸国の動向に言及。2014年にASEAN閣僚会議で署名が行われたAMDD(ASEAN Medical Device Directive)が今後、導入されることにより、申請書類の要英文化対応等、国内メーカーの負担増が見込まれると分析した。
 城風淳一氏(国際政策戦略委員会アジア分科会主査)は、血液や血管に関する医療を中心にした産官学の連携強化をはじめ、医療分野でのアジアへの貢献等を目指す「東九州メディカルバレー構想」を取り上げ、国際ビジネス推進活動の実際として、新興国のなかでもタイに焦点を絞り、同国における血液透析医療の産官学連携の現状について報告。日本式透析システムの同国への普及・展開に向けての活動の一環として、国立ライチャウィティー病院、同マヒドン大学医学部附属シリラート病院における技術研修等について現場の様子を交えて紹介した。最後に、本連携の主だった成果として、タイ国内における原水(水道水)の詳細評価、日本式透析医療技術の多くがタイ及びASEAN諸国に受け入れられる可能性の明確化、東九州メディカルバレー構想の枠組みを超えた連携拡大(医機装、和光純薬の参画)などを挙げた。

会場風景