GEヘルスケア・ジャパン、「Meet the MAGiC SIGNA Pioneer テクノロジーフォーラム in Tokyo」を開催~最新3.0T MRI「SIGNA Pioneer」と魔法のようなアプリ「MAGiC」のこだわり技術紹介

2015.04.02
グローバルMR事業推進部部長 田坂信之氏
グローバルMR事業推進部プロダクトマネジャー 植竹 望氏
MAGiCの特長をスライドで解説
会場の様子
体験デモンストレーションでデモ機に触れる参加者
 GEヘルスケア・ジャパン(株)が、赤坂パークビル(東京都港区)にて「Meet the MAGiC SIGNA Pioneer テクノロジーフォーラム in Tokyo」を開催した。
同イベントは同社が日本において新たに開発し、2014年RSNAでも発表した「SIGNAシリーズ」の1つである3.0T MRI「SIGNA Pioneer」についてのセミナーである。日本発の開発コンセプトや同製品に搭載されているアプリケーション「MAGiC」など、こだわりの技術についての説明や体験ができるデモンストレーションが行われた。
まず、田坂信之氏(グローバルMR事業推進部部長)から、「日本発の開発コンセプト」と題し、同社の歴史やSIGNA Pioneerについての説明などが行われた。同製品の開発は「KIZUNAプロジェクト」と呼ばれ、「最新のテクノロジー」「優れた設置性・経済性」「快適な検査」という3点をコンセプトに開発されたと同氏は話す。
同社は現在、日野(東京)・北京(中国)・ミルウォーキー(アメリカ)の3箇所を拠点にMRIのグローバル開発を展開している。「Value(基本機能、低価格、低維持費、操作性)」「Performance(最新技術、検査効率、設置性、快適な検査)」「Premium(最高性能、拡張性、研究対応、快適な検査)」の3本柱でグローバルマーケットのニーズをカバーする開発体制を取っている。この3点のコンセプトを実現するSIGNA Pioneerは、最新の97chデジタルRF受信技術、マルチドライブRF送信システムなどのほかMAGiCをはじめとする最新のアプリケーションを搭載。さらに、同社の従来型3.0T MRIに比べ、設置面積を約25%減少、電力消費は約50%減少している。SIGNA Pioneerの目指すお客様のニーズについて田坂氏は「先進国では周辺病院との差別化や集客力アップ、アプリケーションを重視している病院が多く、発展途上国では集中する患者のために幅広い受け入れ態勢を整えたいと考える基幹病院が多い。SIGNA Pioneerはそのどちらにも対応する、初めての3.0 Tに適した装置」と話す。
次に登壇した植竹 望氏(同部プロダクトマネジャー)は、「SIGNA Pioneerの技術紹介」と題し、SIGNA PioneerやMAGiCの仕様などについて話した。「MAGiC」とは「MAGnetic resonance image Compilation」の略である。従来の方法ではT1、T2、STIR、T1 FLAIR、T2 FLAIR、PD(プロトン強調画像)の6種類の画像を撮影するのに6回の撮影と約15分という時間が必要だったが、MAGiCなら1回の撮影で6種類の画像と3種類の定量マップが作成でき、時間も約5分とおよそ3分の1に短縮された。さらにMAGiCはTE、TR、TIの3種類については使用者の好みの設定をカスタマイズし、プリセットすることや、MR信号を収集した後でもコントラスト変更することが可能であり、追加のハードディスクも必要ない。
従来型のMRIでは複数の受信信号チャンネルを混ぜ合わせてA/D変換していたが、SIGNA Pioneerは97の受信チャンネルを標準搭載し、受信信号チャンネルごとにA/D変換している。また、「Digital Surround Technology(DST)」というシステムにより均一信号画像への追求も行っている。これはサーフェイスコイルとボディーコイルの信号を同時受信し、組み合わせることで均一化を図る技術だ。そのほかMR本体にタッチパネルを搭載し、検査室内の明るさや風量などをワンタッチで調節可能。また、ベッドの最低地上高を52cmとすることで、車いすの人でも乗降しやすい設計となっているという。植竹氏は3.0T MRIのニーズの高まりについて「3.0Tは1.5Tと比較して、およそ倍の速度で普及しています。今後、多くのユーザ様に使用していただき、皆様の意見をフィードバックして、より患者様やユーザ様に優しいMR開発を目指していきます」と結んだ。
体験デモンストレーションでは、多くの参加者がデモ機でMAGiCに直に触れ、実際の使い心地を確かめていた。


MAGiCの解説スライドが動画で見られます。