GEヘルスケア・ジャパン、「SILENT SCAN記者発表会」を開催

category:取材速報
2013.09.18
会場の様子
川上 潤氏
増井孝之氏
GEヘルスケア・ジャパン、「SILENT SCAN記者発表会」を開催

 GEヘルスケア・ジャパン(株)は9月10日、ホテルニューオータニ(東京都千代田区)にて「SILENT SCAN記者発表会」を開催した。
 開催にあたり、川上 潤氏(同社代表取締役社長兼CEO)は同社の医療課題解決へのイノベーション作り、ならびに世界初の音のしないMRI技術である「SILENT SCAN(サイレントスキャン)」の概要について解説。同社では超高齢社会のニーズに応え、日本の医療システムの変革を支援するため3本の柱を据える。早期診断・治療のための「疾患アプローチ」、人に優しい医療機器である「シルバー機器開発」、そして在宅医療や高齢者見守りのソリューション「プライマリ・ケア/ホームヘルス」である。MRの開発・コンセプトとして、「やさしさと快適さ」をキーワードとした技術開発のコンセプト“Humanazing MR”を掲げており、MRAやMRCP、ディフュージョンなどアプリケーションの開発や、高速化、フェイズドアレイ技術といった撮像技術を追求。並行して非造影、低侵襲検査や検査環境の向上といった患者への優しさを基にした開発が進められてきた。SILENT SCANはその双方における最新鋭のものであり、特長として検査環境+3dB以下のMRI検査が挙げられる。従来のMRI検査では傾斜磁場コイル(Gradient Coil)に流れる大きな電流が、様々な波形として頻繁に切り換わっていたため、100dBを超えるような様々な周波数の大きな音が発生していた。ところがSILENT SCANでは、専用ソフトウエア「Silenz(サイレンツ)」による新しい信号収集法と画像再構成法によって、電流の頻繁な切り替えをなくすことに成功。特殊な傾斜磁場波形と、RF波形を印加する上で必要となるハードウエアが、傾斜磁場コイルへ電流を供給する極めて追従性の高い電源システムや、送受信を高速に切り替えるRFスイッチ搭載コイルであり、ソフトウエアとハードウエア技術が融合することにより、世界初の音のしないMRI検査が可能となった。川上氏はSILENT SCANについて、「蚊の鳴くような静けさの元で撮像することができ、わずかな撮像時間の延長でほぼ同等の画質を得ることができるため、被験者にとって安心な検査を行うことが可能だ。特に小児や高齢者への検査には有用であり、ドックなど繰り返し受ける検査に対する抵抗感の低減にもつながる。SILENT SCANはMRを根本から大きく変える技術であり、現在は頭部MRI検査を対象にT1強調像とMRAのみに対応しているが、今後適応領域やシーケンスは幅広く拡大していきたい。2020年に開催される東京オリンピックも見据え、広く世の中に普及させていきたい所存だ」と今後の展望や期待を語った。
 続いて、増井孝之氏(社会福祉法人聖隷福祉事業団 聖隷浜松病院)による講演、「SILENT SCAN活用事例・反響、そして将来の可能性など」が行われた。同院では2013年8月より、発売に先駆けてSILENT SCANを搭載した同社製MRI「Discovery MR750w 3.0T」が稼働している。講演では従来のMRIとSILENT SCANの音の大きさを実際にスピーカーを用いて比較。さらに実際の使用経験を基に、撮像画像の画質についても言及、「2012年のRSNAで実際に目にするまでは、SILENT SCANへの画質面での期待は小さかった。だが、従来のMRI画像と比較しても画質に遜色はなく、特にT1強調像においては高コントラストな画像を得ることができるため、非常に感銘を受けた。また、RFスイッチの高速切り替えによってTEを0にすることにより、信号の均一性が高い画像を得ることができ、MRA脳動脈癌・動脈硬化などにおいて狭窄を見つけやすく、非常に有用である」と、SILENT SCANが臨床現場において有用であると評価した。今後の展望としては、「静かな検査を高齢者や小児、検診者に受けてほしい。特に小児などは撮像時に鎮静剤を使用するケースもあるので、SILENT SCANにより低侵襲・非侵襲な検査が受けられるようになれば喜ばしい。また、多くの情報を高速に得ることで、検査時のストレスの低減につながるだろう」とさらなる発展への期待を述べた。
 講演の後は川上氏と増井氏によるトークショーや質疑応答が開催され、SILENT SCANの臨床応用や、今後の展望などについて語られた。また、会場にはサウンド体験コーナーが設立され、実際の音の違いを報道陣も実感することができた。

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