遠隔画像診断サービス連合会、第1回ATSセミナーと設立社員総会を開催

2013.06.24
市川 守氏
加納裕士氏
中村尚史氏
川村洋一氏
森脇博信氏
煎本正博氏
 一般社団法人遠隔画像診断サービス連合会(事務局:東京都文京区、代表理事:石垣武男)は6月22日、全国家電会館(東京都文京区)にて、第1回ATSセミナーと設立社員総会を開催した。
 司会に市川 守氏((株)ダイヤメディカルネット代表取締役社長)と加納裕士氏(セントメディカル・アソシエイツLLC代表社員)を迎えたATSセミナーではまず、中村尚史氏((株)損保ジャパン)が登壇し、「遠隔画像診断事業におけるリスクについて」と題した講演を行った。同氏は遠隔画像診断事業者が備えるリスクと保険例について言及し、「遠隔画像診断サービス連合会という業界団体が設立されたことは、保険業界からもありがたい。今後団体として業界保険について検討を重ねていくことで、遠隔画像診断業界の更なる隆盛につながると確信している」と語った。
 次に、「現在の遠隔画像診断を支えるIT技術」について、川村洋一氏((株)ループス)が講演し、最大の課題はDICOM企画の相互接続性にあるとした上で、「DICOMは規格としては曖昧な点が多いが、それはDICOMがまだ制定模索中であることに起因する」と述べ、遠隔画像診断領域に絞って独自に標準化してはどうかと提案した。
 「標準化に期待すること」をテーマにした森脇博信氏((株)ドクターネット)の講演では、ドクターネットでの事例を挙げつつJIRA画像診断レポート委員会の報告にも触れ、標準化についての問題点を明らかにした上で、レポート連携や検診について、ガイドラインを作成する必要があり、遠隔画像診断サービス連合会を通して、強力に進めていきたいと語った。
 最後に、煎本正博氏((株)イリモトメディカル)の「遠隔画像診断サービスの質を考える」では、医療行為である遠隔画像診断の質について、「私が経験した大手プロバイダーの遠隔画像診断では、多くの放射線科医にレポートを読まれることになるため、毎日が他流試合といってもよく、レポートの質は格段に向上した」とし、遠隔画像診断医と勤務医が同一舞台で切磋琢磨することで、画像診断全体の質の向上につながると述べた。遠隔画像診断サービス連合会として、医療の質と安全の向上に貢献していきたいとして、同会セミナーを締めくくった。
 同セミナー終了後には同連合会設立社員総会が開催された。