田口克行氏、「心臓の4次元画像再構成法、エネルギー分解能を持ったフォトンカウンティング検出器による新しいCTイメージング法」に関する講演会を開催

category:取材速報
2011.04.25
田口克行氏(Johns Hopkins大学)
マルチスライスCTの第一人者である田口克行氏(Johns Hopkins大学)の一時帰国にあたり、4月19日(火)、国立がん研究センター特別会議室にて表題の講演会が行われた。田口氏は、東京工業大学理工学研究科卒後、東芝医用システムに入社。1998 年に世界に先駆けてマルチスライスCTのアルゴリズムを発表した論文は、世界中に絶大なるインパクトを残した。現在もJohns Hopkins大学にて精力的な研究を続けている。
本講演では、同氏が研究する”Fully 4D cardiac imaging algorithm”と“Spectral(photon counting)CT imaging”について、現在までのトピックスを紹介した。

上段”current”:現行法のECG-gate法
下段:研究中の再構成法”Fully 4D cardiac imaging algorithm”
(クリックで拡大)

会場風景
心臓の4D画像診断について、現在のECG-gate法では、動きの少ない心位相から画像を再構成してもモーションアーチファクトの問題を完全にクリアできず、また全ての収集データを使用しないために4D超音波画像と比較すると時間分解能では劣る面があった。同氏が研究中の再構成法は、収集したデータを全て活用し、心臓の動きを投影データから推定・再構成過程でその動きを補償、を繰り返して画像再構成を行う技術。これが実現されれば「不要な被曝を減らし、アーチファクトの少ない高精細画像が得られることが期待される」と同氏は語る。
続いて同氏は、Spectral(photon counting)CTについて解説。photon counting CTとは、透過X線のエネルギーごとのフォトン数を検出器で測定する、Dual Energy Imaging の先にある技術。photon検出器を用いることで、1種類の出力を物質に応じたエネルギー成分に分けてカラー表示もできるため、物質の同定や分子イメージングへの可能性を広げる可能性があると述べた。ただし、現時点のphoton検出器には検出速度などの課題が未だあり、「それを補う画像再構成アルゴリズムの開発など、今後も理論と計算機シミュレーション、ファントム実験を繰り返して実用化に近づけていきたい」と語った。
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